社会保険労務士の年収って本当はどれくらい?

社会保険労務士の年収は約650万円!?

インターネットや雑誌などでいろいろ調べてみると、社会保険労務士の年収のはだいたい650万円(40~45歳くらいの社会保険労務士で、月給が40万円、ボーナスが160万円)と書いているものがありますね…

全国社会保険労務士会連合会、国税庁や厚生労働省の資料から算出したとのことですので、ある程度、正しい年収だとは思われますが、けっこう高いですよね…

しかも、同年代の会社員の平均年収よりも高いようです。

実際に社会保険労務士事務所で働いている人たちの年収ってどれくらいなのかというと…?

正直言って、正確な年収の金額はわかりませんが、求人サイトで、社会保険労務士の求人を見てみると、正社員で月給20~25万円前後、ボーナスはよくわからないのですが、仮に、月給25万円、ボーナス100万円(上記の年収650万円のケースの月給とボーナスの割合で計算)として、年収は400万円となります。

社会保険労務士事務所の求人の給料のモデルとして…
例えば

  • 実務経験なし 年収300万円
  • 実務経験1年以上3年未満 年収350万円
  • 実務経験3年以上5年未満 年収400万円
  • 実務経験5年以上 年収450万円

というのもあるようです。

おそらく、社会保険労務士事務所で働いている人たちの年収は平均して400万円前後ではないかと思われます。

ただ、実際は、実務経験を積んで3年から5年前後で独立する人もいることがわかっていますので、社会保険労務士事務所ではそれほど多くの給料を支払ってもらいにくいと思われます。

では、開業している社会保険労務士の年収はどれくらいになるのでしょうか?

まず、毎月かかる経費から計算してみましょう

ざっくりの計算ですが…

自宅開業 賃貸事務所
従業員なし
賃貸事務所
従業員1人
事務所家賃 0円 5~10万円
(7.5万円)
5~10万円
(7.5万円)
人件費 0円 0円 20万円
水道光熱費 1万円 1.5万円 1.5万円
通信費
(電話・ネット)
1.5万円 2万円 2万円
交通費 1.5万円 2.5万円 2.5万円
交際費 1.5万円 1.5万円 1.5万円
その他経費 1.5万円 1.5万円 1.5万円
合計 7万円
(年84万円)
16.5万円
(年198万円)
36.5万円
(年438万円)

実は、広告費、交際費や交通費はもっとかかります

社会保険労務士になった直後の頃は、社会保険労務士同士の交流や異業種交流会など、頻繁に活動することになると思います。

当然ながら、活動すればするほど交際費や交通費はかなりかかることになります。

また、上記の表には、広告費の項目がありませんが、ホームページの管理費用やその他の広告費をかるのであればそれだけ費用は多くかかります。

開業当初から早く経営を軌道に乗せていらっしゃる先生はかなり活動的になさっていると思いますので、他の人の何倍もの広告費や交際費をかけていると思われます。

また、社会保険労務士は、日々、勉強が必要ですので、各種勉強会やセミナーなどの費用や書籍代などもかかります。

つまり、上記の計算は、最低でもこれくらいはかかるだろうと考えられる金額ということです。

では、毎月の収入を計算してみましょう

社会保険労務士で年収650万円になるためには…

上記の経費の表の経費を考慮すると、消費税抜きで、少なくとも、自宅開業で月61万円、賃貸事務所(従業員なし)で月70.5万円、賃貸事務所(従業員1人)で90.5万円の売上が必要となります。

自宅開業 賃貸事務所
従業員なし
賃貸事務所
従業員1人
売上(月) 61万円 70.5万円 90.5万円
売上(週) 15万円 17.5万円 22.5万円
売上(日) 3万円 3.5万円 4.5万円

社会保険労務士の仕事はどういうものがある?

給与計算業務(顧問業務)

給与計算業務の社会保険労務士報酬の相場を見てみると、顧問先の規模にもよりますが、1か月1万5000円~2万5000円くらいになることが多いようです。

給与計算業務(顧問業務)の契約が取れると、労働保険や社会保険の手続き、就業規則作成、助成金申請などの依頼が入ってくることが予想されますので、事務所経営がかなり安定してくると思われます。

助成金申請業務

助成金申請業務の社会保険労務士報酬の相場を見てみると、着手金3~5万円、助成金の金額の10~20%くらいになることが多いようです。

助成金申請の業務の依頼があると、就業規則の作成や変更が必要となるケースがありますので、一時的ではあるかもしれませんが、それなりの売上になることが予想されます。

就業規則作成業務

就業規則作成業務の社会保険労務士報酬の相場を見てみると、10~20万円くらいになることが多いようです。

事務所によっては30万円以上のところもあるようです。

介護事業指定申請業務

介護事業指定申請業務の社会保険労務士報酬の相場を見てみると、介護事業の種類によって報酬が異なりますが、例えば、訪問介護の指定申請業務の場合には10万円くらいになることが多いようです。

介護事業指定申請業務の依頼が取れると、給与計算、労働保険や社会保険の手続き、就業規則作成、助成金申請などの依頼が入ってくることが予想されますので、事務所経営がかなり安定してくると思われます。

では、社会保険労務士で年収1000万円を稼ぐにはどうすればいい?

社会保険労務士で年収1000万円を稼ぐには少なくとも売上1450万円が必要です

社会保険労務士の業務は、顧問先や依頼先への移動や業務の処理などをするために、どうしてもマンパワーが必要ですので、特殊なケースを除いて、社会保険労務士1人で自宅開業では年収1000万円を稼ぐのは現実的に無理があります。

そう考えると、賃貸事務所で従業員1人というのが必然的に必要となりますので、経費は少なくとも上記の表では438万円かかることになります。

これに社会保険労務士の年収を合わせると、少なくとも1438万円以上の売上が必要となります。

売上の増加に伴って経費も増えていきますので、本当は、1500万円程度の売上をして、やっと社会保険労務士の年収が1000万円前後になってくるくらいだと思われます。

でも、本当は、売上1500万円では社会保険労務士の年収は1000万円にならない可能性があります

もちろん業務内容や報酬単価にもよりますが、社会保険労務士の業務はマンパワーが必要な業務が多いですので、売上1500万円を超えてくると、従業員がもう1人必要となってくる可能性が出てきます。

さらに売上アップや年収アップを狙うのであれば、従業員2人体制にすることになりますが、そうなると、一時的に、利益(つまり、社会保険労務士の年収)が下がることになってしまいます。

このあたりはなかなか難しいところです。

キャッシュベースで社会保険労務士の年収1000万円を達成するのは相当難しい…かも?

キャッシュベース、つまり、手元に手取りとして社会保険労務士の年収1000万円を残すためには、計算が面倒ですのでやりませんが、少なくとも消費税抜きの売上で2000万円以上は必要となるのではないでしょうか…

この頃には、おそらく従業員3人体制になっていると思われますので、経費も多くかかります。

そういうことを考えても、やはり、社会保険労務士の年収を上げるためには、業務内容や報酬単価が非常に重要になってくるということですね…

結局のところ、実際の社会保険労務士の年収はいくら?

社会保険労務士としての自分の年収は自分で決めやがれ!

社会保険労務士の年収は努力次第でどこまででも上がります。

もちろんキャッシュベースの年収2000万円以上も可能です(かなり夢みたいな話ですが、可能は可能ですよね…)。

年収650万円未満の社会保険労務士になるのか、年収1000万円以上の社会保険労務士になるのか、すべて自分で決めることができます。

それが開業している社会保険労務士の魅力です。