流動比率と当座比率の計算式と目安を参考にして決算書を分析しよう

流動比率

流動比率を計算して短期安全性を分析してみよう

流動比率とは

流動比率とは、短期的(1年以内)に支払義務が到来する流動負債に対して、短期的(1年以内)に現金化できる流動資産がどれくらい確保されているかを表します。

流動比率の計算式
流動比率(%)=流動資産/流動負債×100

流動比率は、200%以上が理想ですが、少なくとも100%以上が必要です。

100%を下回っている場合には、短期的な支払能力が足りないことを意味しますので、何らかの方法で資金調達をする必要があると判断することができます。

なお、流動資産は、現金及び預金から商品(在庫・棚卸資産)やその他流動資産まで流動資産に分類される資産の合計の金額となります。

実際に流動比率を計算してみましょう

まず、貸借対照表の流動資産と流動負債に注目してみましょう。

貸借対照表
x2年3月31日現在 (単位:千円)
資産の部 負債の部
 流動資産  流動負債
 現金及び預金 17,500  支払手形 40,000
 受取手形 37,500  買掛金 27,500
 貸倒引当金 △2,500 35,000  短期借入金 27,500
 売掛金 35,000   流動負債合計 95,000
 貸倒引当金 △2,500 32,500
 有価証券 2,500
 商品 60,000
  流動資産合計 147,500

流動比率の計算式は、「流動比率(%)=流動資産/流動負債×100」ですので…

流動比率(%)=147,500/95,000×100=155.263…

上記の貸借対照表では、流動比率の計算結果が155.26%となり、必要となる100%を超えていますので、短期安全性が高いと思われます。

当座比率を計算して短期安全性を分析してみよう

当座比率とは

当座比率とは、分母は流動比率と同じ流動負債ですが、分子はより回収可能性の高い当座資産の金額にして計算するものであり、その会社の支払能力をより厳格に評価することができます。

当座比率の計算式
当座比率(%)=当座資産/流動負債×100

当座比率は100%以上であることが望ましいと考えられています。

なお、当座資産とは、現金及び預金、受取手形、売掛金、有価証券の合計の金額であり、商品(在庫・棚卸資産)を含まない金額となります。

実際に当座比率を計算してみましょう

まず、貸借対照表の当座資産と流動負債に注目してみましょう。

なお、当座資産とは、現金及び預金、受取手形、売掛金、有価証券の合計の金額であり、商品(在庫・棚卸資産)を含まない金額となります。

貸借対照表
x2年3月31日現在 (単位:千円)
資産の部 負債の部
 流動資産  流動負債
 現金及び預金 17,500  支払手形 40,000
 受取手形 37,500  買掛金 27,500
 貸倒引当金 △2,500 35,000  短期借入金 27,500
 売掛金 35,000   流動負債合計 95,000
 貸倒引当金 △2,500 32,500
 有価証券 2,500
 商品 60,000
  流動資産合計 147,500

当座比率の計算式は、「当座比率(%)=当座資産/流動負債×100」、当座資産とは、現金及び預金、受取手形、売掛金、有価証券の合計の金額であり、商品(在庫・棚卸資産)を含まない金額ですので…

当座比率(%)=(17,500+35,000+32,500+2,500)/95,000×100=92.105…

上記の貸借対照表では、当座比率の計算結果が92.11%となり、必要とされる100%を下回っていますので、短期安全性について厳しく評価すると少し低いと思われます。

理由のひとつとして、過剰な商品(在庫・棚卸資産)を多く抱えている可能性が高いということが考えられますので、商品(在庫・棚卸資産)を多く抱えている理由を明らかにして財務状況を改善する必要があると思われます。

流動比率と当座比率の違いと注意点

流動比率が良いからと思って安心することができません

流動比率を計算した結果が200%前後になっているので、その会社の短期の安全性が高いかというとそうとも言い切れないところがあります。

流動比率を計算する際に、分子の流動資産には商品(在庫・棚卸資産)が含まれることになりますが、この中に型遅れや古くなってしまっている不良在庫が含まれている可能性や必要以上に多くの在庫を抱えてしまっている可能性があることに注意する必要があります。

注意
流動比率の数値が良い場合でも、その理由が、商品(在庫・棚卸資産)の金額が大きいことによって(さらに厳密にいうと、実際にはそれほど価値のない不良在庫や過剰在庫を抱えてしまっていることによって)流動比率の数値が良くなっているだけだという可能性もありますので注意が必要です。

当座比率は、分子に商品(在庫・棚卸資産)の金額を含めないで計算した数値ですのでより厳格に計算することができます

上記の通り、当座資産とは、現金及び預金、受取手形、売掛金、有価証券の合計の金額であり、商品(在庫・棚卸資産)を含まない金額となりますので、短期安全性をより厳格に計算することができます。

流動比率で計算すると200%前後になるのに、当座比率で計算すると100%を下回っている場合には、もしかすると、商品(在庫・棚卸資産)の中に型遅れや古くなってしまっている不良在庫が含まれている可能性や必要以上に多くの在庫を抱えてしまっている可能性があることに注意する必要があります。

運転資金を把握しておくことも非常に重要です

運転資金とは

運転資金の計算式
運転資金=売上債権(受取手形・売掛金)+棚卸資産(商品)-仕入債務(支払手形・買掛金)

事業活動とは、すごく簡単にいうと、「お金を支払って商品を仕入れて、その商品を売ってお金を回収する」ということですが、商品を掛で仕入れたり代金を手形をで支払ったり、商品を在庫として抱えたり、商品を売っても現金ではなく、掛で売上げたり、手形を受け取ったりすることもあります。

しかし、商品は、仕入れた時から実際に売れるまでに時間がかかりますし、売れた商品の代金を回収するのに現金ではなく、売掛金になっていたり手形を受け取ったりすることもあり、商品を仕入れてから、その商品を売り上げて実際に現金化するまでに時間がかかります。

また、仕入れた商品の代金の支払いをしなければいけませんが、(もちろん業種によって異なりますが)一般的には、商品を売り上げて現金化できる期間よりも、商品を仕入れて支払いをする期日のほうが早くなってしまうことが多いと言われています。

つまり、仕入れた商品の代金を支払うために資金が必要だということなのですが、この金額を運転資金といいます。

なお、仕入れた商品の代金を支払うための手元資金がない場合には、その間の資金を短期借入によって調達することになります。

経営分析の方法

数値を把握し、その原因を分析して、改善すべきところを改善する

経営分析のポイント
  • 最低限必要な数値を上回っているか
  • 過去3年間の数値と比較してどのように変化しているか
  • 業界平均と比較してどうなのか

そして、原因を分析して、改善すべきところを改善する。