給与計算(給料明細作成)の方法を理解してソフトを使うと完璧です

自社で給与計算(給料明細作成)する場合は、専用のソフトを使うのが1番簡単な方法です

給与計算(給料明細作成)の方法をご理解うえで、ソフトをご利用いただくと、スムーズに処理ができるとともに、ミスも起きにくくなるはずです。

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  • マイナンバー管理
  • 源泉徴収票
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このページでは、給与計算(給料明細作成)の方法を記載させていただいておりますので、よろしければご覧いただければと思います。

給与計算(給料明細作成)の大まかな流れを理解しておきましょう

1.総支給額を計算します

  • タイムカードから総労働時間と時間外労働時間を集計します
  • 時間外手当(残業代)を計算します
    時間外手当(残業代)=時間単価×割増率×時間外労働時間
  • 通勤手当を計算します
    通勤手当を記入して所得税の課税対象かどうかを確認します。
  • 総支給額を計算します
  • 総支給額は基本給+時間外手当+通勤手当

2.控除額を計算します

  • 健康保険料と厚生年金保険料を計算します。
    標準報酬月額(4月5月6月の給料の平均額)に基づき、健康保険・厚生年金保険保険料額表を参照して保険料を算出します。
  • 雇用保険料を計算します
    雇用保険率表を参照して、総支給額に雇用保険率をかけて計算します。
  • 所得税を計算する
    課税対象額=総支給額-通勤手当-社会保険料
    源泉徴収税額表を参照して、源泉所得税を算出します。
  • 住民税を記入します
    住民税課税決定通知書を参照して住民税額を記入します。
  • 控除額を計算します
  • 控除額=社会保険料+所得税+住民税

3.差引支給額を記入します

差引支給額=総支給額-控除額

給与計算(給料明細作成)をするための確認事項

会社の情報

  • 始業終業時刻(所定労働時間)、休憩時間、休日
  • 給与形態(月給・日給・時給)
  • 各種手当の支給要件と対象者
  • 欠勤・遅刻・早退時の控除を行うときはその計算方法
  • 残業代の割増率
  • 締日、支払日

社会保険の情報

  • 雇用保険(一般・建設・農林水産)
  • 健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)
  • 厚生年金(厚生年金基金)

従業員の情報

  • 住所・氏名・生年月日・入社日
  • 扶養家族
  • 給与・各種手当・交通費の額
  • 標準報酬月額
  • 住民税額
  • 振込先口座番号

給与計算(給料明細作成)に必要となる資料

  • タイムカード
  • 所定労働時間、通勤手当などの確認資料
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書
  • 健康保険・厚生年金保険保険料額表
  • 雇用保険率表
  • 扶養控除等(異動)申告書
  • 給与所得の源泉徴収税額表
  • 住民税課税決定通知書

総支給額の計算方法を理解しておきましょう

総支給額の計算の流れ(全体像)

  1. タイムカードから総労働時間と時間外労働時間を集計します
  2. 時間外手当(残業代)を計算します
  3. 通勤手当を計算します
  4. 総支給額を計算します

1.タイムカードから総労働時間と時間外労働時間を集計します

  • 所定時間外労働(割増賃金を支払わなくてもいい部分)
  • 法定時間外労働(1日8時間週40時間を超えて働いた時間の部分)
  • 深夜労働(残業ではなくても深夜の時間帯に働くこと場合に必ず支払わなければならない割増賃金)
  • 法定休日労働(週1日の法定休日に働いた時間の部分)

2.時間外手当(残業代)を計算します

時間外手当(残業代)は「時間単価×割増率×時間外労働時間」で計算します。

時間単価の計算方法

残業代を計算する場合の、1時間あたりの給料の計算方法は2段階に分かれています。

  1. 1か月当たりの平均所定労働時間=(365(日)-年間所定休日(日) )×1日の所定労働時間(時間)÷12(か月)
  2. 1時間あたりの時間単価=1か月の給料(円)÷1か月あたりの平均所定労働時間(時間)

なお、1時間あたりの賃金や割増賃金の計算をして1円未満の端数が出た場合には、端数を四捨五入しても問題ありません。

また、この段階では四捨五入しないでそのまま残業代を計算して、残業代総額の端数を四捨五入することもできます。

割増賃金の時間単価を計算するときの基礎となる賃金(1か月の給料)の計算から除外されるもの

  • 家族手当
    扶養家族数又はこれを基礎とする家族手当額を基準として算出した手当ですので、扶養家族がいる労働者に家族手当が支払われるものであっても、家族数に関係なく一律に支払われる手当は基礎賃金から除外することはできません
  • 通勤手当
    一定額までは距離にかかわらず一律に支給するような場合には、この一定額部分は基礎賃金から除外することはできません
  • 別居手当
    通勤の都合により同一世帯の扶養家族と別居しなければいけない労働者に対して支給される手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
    住宅に要する費用に応じて支給されている必要がありますので、一律に支払われる住宅手当は基礎賃金から除外することはできません
  • 臨時の手当(結婚手当、出産手当など)

これらに該当しない賃金は、すべて割増賃金の基礎賃金としなければなりません。

また、これらの手当を基礎となる賃金(1か月の給料)から除外するにあたっては、単に名称によるものでなく、その実質によって取り扱うべきものとされています。

時間外手当(残業代)の計算方法

残業の内容 時間外手当(残業代)の計算方法
所定労働時間を超えて働いた時間の部分
(所定時間外労働)
所定時間外労働の時間(時間)×就業規則等で定める1時間あたりの賃金(円)
1日8時間週40時間を超えて働いた時間の部分
(法定時間外労働)
時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.25
深夜(午後10時から翌朝の5時までの間)に働いた時間の部分
(深夜労働)
深夜労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×0.25
週1日の法定休日に働いた時間の部分
(法定休日労働)
時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.35

3.通勤手当を計算します

通勤手当を記入して所得税の課税対象額を確認します。

なお、通勤手当は、所得税は非課税部分がありますが、社会保険(健康保険・介護保険、厚生年金保険、雇用保険)については通勤手当を含めて計算することになります。

交通手段 1カ月あたりの非課税限度額
バスや電車(新幹線)などの公共交通機関 月10万円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
マイカー通勤

1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超える部分の金額は、通勤手当を支給した月の給料の金額に上乗せして所得税の源泉徴収を行います。

片道2Kmまで 全額課税
全額給料に上乗せ
片道2km以上10km未満 4200円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
片道10km以上15km未満 7100円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
片道15km以上25km未満 1万2900円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
片道25km以上35km未満 1万8700円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
片道35km以上45km未満 2万4400円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
片道45km以上55km未満 2万8000円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
片道55km以上 3万1600円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ
マイカー通勤+バスや電車(新幹線)などの公共交通機関 合計月10万円まで非課税
これを超える金額は給料に上乗せ

4.総支給額を計算します

基本給+時間外手当+通勤手当=総支給額

毎月の給料から控除される項目の計算方法を理解しておきましょう

控除額の計算の流れ(全体像)

  1. 健康保険料と厚生年金保険料を計算します
  2. 雇用保険料を計算します
  3. 所得税を計算する
  4. 住民税を記入します
  5. 控除額を計算します

1.健康保険料と厚生年金保険料を計算します

社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)の計算方法

社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)は、毎月の給料の金額によって決まるのではなく、標準報酬月額(入社時や年1回決定)を、健康保険・厚生年金保険の保険料額表にあてはめて計算することになっています。

賞与(ボーナス)が出る会社の場合には、賞与(ボーナス)にも社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)がかかります。

なお、健康保険料と介護保険料は、会社が加入している健康保険が全国健康保険協会(協会けんぽ)か健康保険組合かによって異なります。

また、協会けんぽの保険料率は都道府県によっても異なっています。

標準報酬月額(入社時や年1回決定)

標準報酬月額とは、その従業員の社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)を計算する際に使われる、その従業員の標準となる(平均的な)、報酬(給料)の、月額(1か月の給料)ということになります。

入社時には、最初に定められた月給(1か月の給料)が標準報酬月額になると考えていいでしょう。これを資格取得時決定といいます。

標準報酬月額は、毎年4月・5月・6月(17日未満の月は除きます)に支払われる給料を基にして、その平均額を計算して、標準報酬月額の等級にあてはめて、年に1回見直しがされます。これを定時決定といいます。

標準報酬月額
入社時 最初に定められた月給
毎年1回 毎年4月・5月・6月(17日未満の月は除きます)に支払われる給料の平均額を標準報酬月額の等級にあてはめて決定

健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額の等級と保険料額

健康保険・厚生年金保険保険料額表

社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)の控除方法

社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)は、被保険者になった月から被保険者でなくなった月の前月まで(月末退職の場合には退職月まで)の間、月単位で徴収されます。

また、一般的にはその月の分をその翌月に控除されます。

つまり、一般的な翌月控除の場合には、その月に控除されているのは前月分の社会保険料だということです。

例えば、4月1日入社の場合には、一般的には、5月の給料から4月分の社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)が控除されます。なお、3月分の社会保険料がありませんので4月の給料からは控除されません。

3月25日退社の場合には、社会保険の計算上では3月26日退職になりますので、一般的には、3月の給料から2月分の社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)が控除されます。3月分の社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)を支払う必要はありません。

3月31日退職の場合には、社会保険の計算上では4月1日退職になりますので、一般的には、3月の給料から2月分と3月分の社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)が控除されます。つまり、この場合には、社会保険の計算上では4月1日の1日だけではありますが、3月分の社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)を支払う必要があるということです。

月末に退職する場合には注意が必要です。

入社 社会保険料控除
4月1日入社 4月分の給料からは控除なし
5月分の給料から4月分の社会保険料が控除される
退職 社会保険料控除
3月25日退職 3月分の給料から2月分の社会保険料が控除される
3月分の社会保険料は控除なし
3月31日退職 3月分の給料から2月分と3月分の社会保険料が控除される。

3月31日退職の場合には、社会保険料の計算上では4月1日退職となりますので、その前月の3月分の社会保険料を支払う必要があります。通常であれば、3月分の社会保険料は4月分の給料から控除されますが、4月の給料支払日にはすでに退職していますので3月分の給料から控除されるということになります。

介護保険料の計算

介護保険の被保険者、つまり、介護保険の保険料の支払いが発生するのは40歳の誕生日からです。

あまりご存知ではない方もいらっしゃるかもしれませんが、40歳になるのは誕生日の前日ですので、1日が誕生日の方は注意が必要です。

例えば、誕生日が4月1日の方は3月31日で40歳になりますので、3月分から介護保険料が発生してしまうということになります。

誕生日が4月1日の場合には、3月分から介護保険料が発生してしまい、その翌月の4月の給料から介護保険料の控除が発生してしまいます。

なお、誕生日が4月2日の場合には、4月1日に介護保険の被保険者になりますので、4月分から介護保険料が発生し、その翌月の5月の給料から介護保険料の控除が発生します。

1日の違いだけで介護保険料の発生が1か月ずれてしまいます。

誕生日 介護保険料控除
4月1日 3月から介護保険料が発生し、4月分の給料から3月分の介護保険料が控除される
4月2日 4月から介護保険料が発生し、5月分の給料から4月分の介護保険料が控除される

2.雇用保険料を計算します

雇用保険料は、給料を支払う都度、給料の金額によって控除される金額が異なります。

雇用保険料=給料の総支給額×雇用保険料率

なお、雇用保険料の計算上、給料に含まれるものと含まれないものは次の通りです。

雇用保険料の計算上、給料に含まれるもの 基本給、役職手当、残業手当、深夜手当、休日手当、通勤手当、家族手当、技能手当、皆勤手当、精勤手当など
※非課税通勤手当も雇用保険料の計算上は給料に含まれます
雇用保険料の計算上、給料に含まれないもの 役員報酬、結婚祝金、死亡弔慰金、傷病手当金、解雇予告手当など

雇用保険料率

雇用保険料率表

3.所得税を計算する

源泉所得税は、毎月の給料について、非課税交通費や社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料)を控除した後の金額を、給料所得者の源泉徴収税額表(甲欄)に当てはめて計算します

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

所得税は、扶養親族の人数によって税額が異なるため、1年の最初の給料の支払日まで(1月中、または入社時)に給料所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出しておき、年内に扶養親族の増減があった場合にも、その都度、会社に申し出ます。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

4.住民税を記入します

住民税(市町村民税と都道府県民税)は、所得税と異なり、その月の給料ではなく、前年度の所得に対して課税され徴収されるという特徴があります。

住民税の計算と控除の流れ

  1. 毎年1月31日までに給料支払報告書(総括表および個人別明細書)を提出します
    市区町村は、会社が提出する給料支払報告書(総括表および個人別明細書)によってその方の年間の給料を把握していますので、会社は、給料支払報告書を作成し、毎年1月31日までに、その従業員の方の1月1日現在の住所地の市区町村に提出します。
  2. 市区町村から特別徴収税額通知書が届きます
    毎年5月31日までに、市区町村から会社宛てに、それぞれの従業員の方の特別徴収税額通知書が届きます。
  3. 毎年6月から翌年の5月までの間、支給する給料から控除します
    毎年6月から翌年の5月までの間、それぞれの従業員の方に支給する給料から、特別徴収税額通知書に記載されている住民税の金額を控除します。
  4. 会社が翌月10日までに住民税を納付します
    会社は、控除した住民税を翌月10日までに納付します。なお、常時10人未満の会社の場合には、12月10日までと6月10日までの年2回にまとめて納付できる一括納付という制度があります。

所得税と住民税の控除方法の違いのまとめ

毎月の控除方法 年末調整
所得税 1月から毎月控除 12月の年末調整で税金の金額を決定して精算
住民税 前年の所得に基づき市区町村から届いた住民税課税決定通知書の金額に従って、6月から翌年5月まで控除

退職した場合の住民税の控除

従業員の方が退職する場合の住民税の納付方法として、次の方法があります。会社から市区町村に届けます。

6月1日から12月31日までの退職の場合

  • 普通徴収(従業員本人が直接市区町村へ納付)へ切り替え
  • 最後の給料で一括して控除
  • 転職先の会社で住民税の控除を続ける

なお、1月1日から5月31日までの退職の場合には、最後の給料で一括して控除することになっています。

5.控除額を計算します

社会保険料+所得税+住民税=控除額

給与計算に付随する年間スケジュール

毎月の給与計算スケジュール

勤怠等の締日が毎月15日、支給日が25日の会社の場合

15日

25日
  • 人事異動、昇降給、扶養家族増減、氏名、振込先変更などを確認します
  • 出退勤、遅早欠勤、休暇、歩合給などを確認します
  • 給与計算、給料明細書を作成します
~月末 社会保険料(健康保険料・介護保険料、厚生年金保険料)を納付します
なお、労働保険料(雇用保険料(労災保険料))は年1回または年3回の分割で支払います
~翌月10日 源泉所得税、住民税を納付します(納期の特例に該当する場合を除く)

納期の特例

所得税
  • 1月から6月までに支払った所得から控除した所得税:7月10日
  • 7月から12月までに支払った所得から控除した所得税:翌年1月20日
住民税
  • 6月から11月までに支払った所得から控除した住民税:12月10日
  • 12月から翌年5月までに支払った所得から控除した住民税:翌年6月10日

どちらも常時使用する従業員が10名未満であることが条件となっています。

なお、社長などの役員も含みますが、1~2カ月程度の短期のアルバイトなどについては含めなくても大丈夫です。

給与計算に付随する年間スケジュール

1月 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
20日 源泉徴収所得税特例納付
月末 法定調書提出(税務署)
月末 給与支払報告書提出(市区町村)
月末 労働保険料分割納付第3期分
4月 健康保険料率・介護保険料率の変更
6月 住民税額の変更(1)
10日 住民税特例納付(12月~5月分)
7月 住民税額の変更(2)
10日 所得税特例納付(1月~6月分)
10日 算定基礎届提出(社会保険)
10日 年度更新提出(労働保険、一括納付または分割納付第1期分)
支給日から5日以内 賞与支払届提出(社会保険)
10月 算定基礎届による社会保険料の変更
厚生年金保険料率の変更
月末 労働保険料分割納付第2期分
12月 10日 住民税特例納付(6月~11月分)
支給日から5日以内 賞与支払届提出(社会保険)
年末調整

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