行政書士の年収って実際はどれくらい?

行政書士の年収は600万円!?

いろんな仕事や会社の平均年収を掲載しているホームページや、独立開業について記載した雑誌などを見ると、その中には、行政書士の年収は600万円(40~45歳くらいの行政書士で、月給が37万5000円、ボーナスが150万円)と書いているものがありますね…

国税庁や厚生労働省の資料から算出したとのことですので、ある程度、正しい年収だとは思われますが、これは行政書士を15年やっている私の感覚からすると、かなり高額ではないかと…

しかし、実は、この年収は、全国規模や大きな行政書士法人の代表の行政書士やその法人に勤務している行政書士の給料を、行政書士全体の平均年収として記載しているんですよね…

おそらく。

では、実際に行政書士事務所で働いている人たちの年収ってどれくらいなの?

正直言って、正確な年収の金額はわかりません。

ただ、行政書士の求人を見てみると、正社員で月給25万円前後、ボーナスはよくわからないのですが、仮に、月給25万円、ボーナス100万円(上記の年収600万円のケースの月給とボーナスの割合で計算)として、年収は400万円となります。

おそらく、行政書士事務所で働いている人たちの年収は400万円前後ではないかと思われます。

ただ、ボーナスが出ない事務所もあるはずですので、そう考えると、行政書士事務所で働いている人の年収は300から400万円くらいだと考えることもできるかもしれません。

行政書士法人など、大きな行政書士事務所の代表の行政書士の先生の実質的な年収はかなり高そうですね…

行政書士法人の場合には、代表の行政書士の先生はかなりやり手で、かなり向上心が強く、厳しいところもあるかもしれませんが、代表の行政書士の先生の年収はかなり高そうですね…

実際の年収はわかりませんが、行政書士法人など、大きな行政書士事務所の代表の行政書士の先生の実質的な年収は、600万円どころではなく、1000万円以上、数千万円以上という先生もいらっしゃると思います。

そう考えると夢が広がりますね。

年収数千万円の行政書士の先生が何人いるのか…というのも重要ではあるかもしれませんが、自分がそのクラスになることも不可能ではないのが、行政書士で開業する魅力でもあるでしょう。

では、一般的な、開業している行政書士の年収はどれくらいかというと…

実は、全体の75%の行政書士が年収500万円未満

月刊日本行政(日本行政書士会連合会が発行していて、毎月事務所に届きます)によると、日本行政書士会連合会が行政書士に対して行ったアンケート調査によると、全体の75%の行政書士が売上500万円未満という結果になっているようです。

もし売上300万円未満というチェック項目があれば、この売上500万円未満の75%の行政書士がどのような分布になるのか、少し恐ろしいような気がしてこなくもないですが…

開業している行政書士の売上と実際の年収を考えてみると…

行政書士として開業すると少なく見積もって毎月どれくらいの経費がかかるのか…

行政書士開業予定の方はこちらのほうが興味があるかもしれませんね。

ほんと、ざっくりですが、計算してみましょう…

自宅開業 賃貸事務所
事務所家賃 0円 5~10万円
(7.5万円)
水道光熱費 1万円 1万円
通信費
(電話代・ネット代)
2万円 2万円
交通費 1万円 2万円
交際費 1万円 1万円
その他経費 1万円 1万円
合計 6万円
(年間72万円)
14.5万円
(年間174万円)

実は、本当はもっと経費はかかります

行政書士開業者の先生は、もしかすると「もっとかかるよ!」とおっしゃると思いますが、「少なくとも」毎月、上の表くらいの経費はかかると思われます。

つまり、固定費的に、毎月これくらいの費用がかかるということですね…

上記の表には、広告費の項目がありませんし、行政書士を開業した直後くらいはかなり頻繁に活動すると思いますので、交際費は本当にかなりかかります。

広告費は、インターネットやその他の広告ということですが、やはり広告をしないと仕事はなかなか入ってこないというのも事実です。

なお、広告費や交際費については、稼いでいる事務所の先生は平均以上に使っていると思います。

次に、毎月の収入を計算してみましょう

行政書士の売上と収入のシミュレーションをすると…

上記の経費の表から、毎月の経費は、自宅開業で6万円、賃貸事務所で14.5万円ですので、仮に行政書士の年収を600万円(月50万円)にしようとすると、少なくとも、自宅開業で月56万円、賃貸事務所で月64.5万円の売上が必要となります。

  • 自宅開業で月56万円(週14万円)の売上
  • 賃貸事務所で月64.5万円(週16万円)の売上

行政書士の仕事はどういうものがある?

行政書士の仕事は大きくわけて、次の3つくらいにわけられます。

  • 許認可業務(法人関係の業務)
  • 国際業務(外国人関係の業務)
  • 民事業務

許認可業務

最初の許認可や会社設立をとっかかりにして、その後の変更や更新の申請や、記帳代行や経営コンサルティングをメイン業務にしている行政書士事務所です。

許認可業務をメイン業務にしている行政書士事務所は、比較的、規模が大きい事務所が大きく、事務所もキレイで、従業員を何人か雇っているところが多いと思います。

税理士や司法書士など、他士業の先生から仕事の依頼をいただくことも多いでしょう。

インターネット経由の受注と、税理士の先生など他士業の先生や、以前お仕事をいただいた社長さんなどからのご紹介によって、事務所の経営が安定しやすい業務だと思われます。

国際業務

外国人関係のお仕事です。

国際業務をメイン業務にしている行政書士事務所も、比較的、規模が大きい事務所が大きく、事務所もキレイで、従業員を何人か雇っているところが多いと思います。

税理士や司法書士など、他士業の先生からの依頼だけでなく、同じ行政書士からお仕事をいただくことも多いでしょう。

インターネット経由の受注と、税理士の先生など他士業の先生や行政書士からの紹介、以前お仕事をいただいた方からご紹介によって、事務所の経営が安定しやすい業務だと思われます。

民事業務

離婚や相続などの、個人のお客さんからご依頼をいただく業務です。

主に、ホームページを作成して、インターネット経由での依頼となることが多いと思われます。

上記の2つの業務に比べて、民事業務をメイン業務としている行政書士事務所はそれほど規模が大きくない事務所が多いのではないでしょうか…

許認可業務で月64.5万円(週16万円)の売上をするとするとどうなる?

例えば、建設業許可申請であれば、報酬が高い行政書士事務所の場合には、新規1件で16万円(それ以上)となるようですので、毎週新規1件(または更新2件)で、月64.5万円の売上で、行政書士の年収600万円くらいになるでしょう。

報酬が安いところでも、毎週、新規1件、変更1件(または更新1件、変更2件)くらいで、月64.5万円の売上で、行政書士の年収600万円くらいになるでしょう。

行政書士からは、「そんなの、無理、無理…」と聴こえてきそうですが、計算上はこうなるわけです。

もちろん、建設業の許可申請ばかりではありませんので、その他の業務を組み合わせて、週16万円、月64.5万円の売上を上げることができれば、行政書士の年収は600万円くらいになると思われます。

あと、許認可業務をしている行政書士事務所の場合には、記帳代行や顧問をしている事務所もありますので、これらの業務をしている事務所は売上も多くかなり経営が安定していいるようです。

国際業務で月64.5万円(週16万円)の売上をするとするとどうなる?

在留資格認定証明書交付申請を毎週1~2件程度で、月64.5万円の売上、行政書士の年収600万円くらいになるようです。

ごめんさない…。

国際業務はまったくわかりません。

民事業務で月64.5万円(週16万円)の売上をするとするとどうなる?

離婚の公正証書作成であれば、1件5~8万円くらいの事務所が多いと思いますので、報酬が高い行政書士事務所で毎週2件、安いところで毎週3件で、月64.5万円の売上、行政書士の年収600万円くらいになるでしょう。

実は、この件数は依頼を取るのも処理をするのもかなり厳しいですが…

もちろん、離婚の公正証書ばかりではありませんので、内容証明郵便作成など、その他の業務を組み合わせて、週16万円、月64.5万円の売上を上げることができれば、行政書士の年収は600万円くらいになると思われます。

あと、公正証書遺言で1件10~15万円、相続手続きで20~30万円という行政書士事務所もありますので、民事業務でも、主に遺言相続業務を扱っている行政書士は年収は高いかもしれません。

行政書士で年収1000万円を稼ぐには…?

売上じゃなくて、年収で、1000万円を稼ぐにはどうすればいいの?

当然ながら、年収1000万円ということは、上記の経費の表から計算すると、売上は、少なくとも1174万円必要ということです。

つまり、月100万円、毎週25万円くらいの売上が必要となります。

もちろん、まったく不可能ではありません。

可能です。

行政書士として年収1000万円も可能です。

でも、実は、売上1174万円では行政書士の年収は1000万円にはなりません

報酬が高くて、効率の良い仕事のやり方をしている場合は別ですが、普通に考えると、行政書士1人で、売上1174万円分の業務を処理することは不可能に近いと思います。

つまり、補助者を雇う必要が出てくるということです。

もし、正社員的に、毎日来てもらうとすると、やはり少なくとも毎月15~20万円(年180~240万円)程度の人件費がかかります。

その他の経費も増えるでしょう。

そうなると、売上は1400~1450万円くらいが必要ということになります。

実は、消費税のことを考えると、話はそんなに単純ではありませんが…

では、キャッシュとして手元に年収1000万円を残すとすると…

細かな計算がめんどくさいのでやりませんが、売上からすべての経費をマイナスして利益を計算し、そして、所得税や住民税、健康保険、年金を支払った後のキャッシュとして手元に年収1000万円を残すとすると、売上は2000万円くらいになるのではないでしょうか…?

もしかすると、この頃には補助者をもう1人または2人くらい雇うことになるかもしれません。

もし補助者が2人になると、キャッシュとして手元に年収1000万円を残すためには、売上は2000万円を超えてくる可能性もあるでしょう。

結局のところ、行政書士の年収って実際はどれくらいなの?

行政書士としての自分の年収は自分で決めやがれ!

行政書士の年収は努力次第でどこまででも上がります。

全体の75%の年収500万円未満の行政書士になるのか、年収1000万円以上の行政書士になるのか、すべて自分で決めることができます。

それが開業している行政書士の魅力です。