特定求職者雇用開発助成金は母子家庭の母や高齢者の方を雇用する際に最適です

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の概要

以下、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)についてご説明させていただきます。

助成金の概要

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)は、母子家庭の母・60歳以上65歳未満の高年齢者・障害者などの就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成金が支給されます。

助成金の金額

対象者助成金の金額支給期間
短時間労働者
(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等40万円
(20万円×2期)
1年
重度障害者等を含む身体・知的・精神障害者80万円
(20万円×4期)
2年
短時間労働者以外高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等60万円
(30万円×2期)
1年
身体・知的・精神障害者
(重度障害者等を除く)
120万円
(30万円×4期)
2年
重度障害者等240万円
(40万円×6期)
3年

なお、助成金は1期(6か月)ごとに支給されます。

主な支給要件

特定就職困難者コースの主な支給要件
  • 60歳以上65歳未満の高年齢者や母子家庭の母など
  • 事業所の代表者または取締役の3親等以内の親族(配偶者、3親等以内の血族及び姻族)である場合には助成金が支給されません。

  • ハローワーク等の紹介
  • ハローワークの紹介以前に雇用の予約や約束をしていた労働者を雇い入れる場合は助成金が支給されません。

  • 雇用保険の一般被保険者として継続して(65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上)雇用することが確実であること
  • 有期雇用契約において、雇用契約書に、勤務成績等により更新の有無を判断するなどの更新条項の記載がある場合には、継続して雇用することが確実であると認められず、助成金が支給されません(つまり、自動更新でなければいけません)。

  • 対象労働者の雇入日の前後6か月間に事業主の都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む)をしていないこと
  • 労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などを整備して、労働局長の求めに応じ提出または提示できるようにしておくことや、労働局が行う実地調査に協力すること
  • その労働者の賃金(時間外手当(残業代や深夜労働手当)や休日出勤手当など基本給以外の手当等を支払っていない場合を含む)をすべて支払っていること
  • 労働保険料を滞納していないこと
  • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれらの営業の一部を受託する営業について、接待業務などに従事する労働者として雇い入れないこと

その他の支給要件がありますのでご注意くださいますようお願いいたします。

助成金申請の流れ

特定就職困難者コースの助成金申請の流れ

  1. ハローワークに求人
     ↓
  2. ハローワークの紹介で助成金の対象となる方が応募
     ↓
  3. 採用・雇用契約
     ↓
  4. 助成金の第1期支給申請(各支給対象期の末日の翌日から2か月以内に労働局またはハローワークに支給申請)
     ↓
  5. 助成金の支給
     ↓
  6. 第2期以降の支給申請(助成金の支給申請は各支給期間ごとに手続きが必要です)
     ↓
  7. 助成金支給

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)の概要

以下、特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)についてご説明させていただきます。

助成金の概要

65歳以上の高齢者(離職者)を、ハローワーク等の紹介により、1年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成金が支給されます。

助成金の金額

対象者助成金の金額支給対象期ごとの支給額
短時間労働者
(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満)
50万円25万円×2期
短時間労働者以外70万円35万円×2期

なお、助成金は1期(6か月)ごとに支給されます。

主な支給要件

生涯現役コースの主な支給要件
  • 65歳以上の高齢者(離職者)
  • 事業所の代表者または取締役の3親等以内の親族(配偶者、3親等以内の血族及び姻族)である場合には助成金が支給されません。

  • ハローワーク等の紹介
  • ハローワークの紹介以前に雇用の予約や約束をしていた労働者を雇い入れる場合は助成金が支給されません。

  • 雇用保険の高年齢被保険者として、1年以上継続して雇用(期間の定めのない雇用または1年以上の契約期間の雇用)することが確実であること
  • 対象労働者の雇入日の前後6か月間に事業主の都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む)をしていないこと
  • 労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などを整備して、労働局長の求めに応じ提出または提示できるようにしておくことや、労働局が行う実地調査に協力すること
  • その労働者の賃金(時間外手当(残業代や深夜労働手当)や休日出勤手当など基本給以外の手当等を支払っていない場合を含む)をすべて支払っていること
  • 労働保険料を滞納していないこと
  • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれらの営業の一部を受託する営業について、接待業務などに従事する労働者として雇い入れないこと

その他の支給要件がありますのでご注意くださいますようお願いいたします。

助成金申請の流れ

生涯現役コースの助成金申請の流れ

  1. ハローワークに求人
     ↓
  2. ハローワークの紹介で助成金の対象となる方が応募
     ↓
  3. 採用・雇用契約
     ↓
  4. 助成金の第1期支給申請(各支給対象期の末日の翌日から2か月以内に労働局またはハローワークに支給申請)
     ↓
  5. 助成金の支給
     ↓
  6. 第2期以降の支給申請(助成金の支給申請は各支給期間ごとに手続きが必要です)
     ↓
  7. 助成金支給

特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース)の概要

以下、特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース)についてご説明させていただきます。

助成金の概要

特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース)は、長期にわたり不安定雇用を繰り返す方を、ハローワーク等の紹介により、正規雇用労働者として雇い入れる事業主に対して助成金が支給されます。

なお、支給対象期の途中で対象労働者が定年に達する場合には助成金が支給されません。

正規雇用労働者とは
  • 期間の定めのない労働契約を締結している労働者であること
  • 派遣労働者として雇用されている者でないこと
  • 所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の所定労働時間(週30時間以上)と同じ労働者であること
  • 同一の事業主に雇用される通常の労働者に適用される就業規則等に規定する賃金の算定方法および支給形態、賞与、退職金、休日、定期的な昇給や昇格の労働条件について長期雇用を前提とした待遇が適用されている労働者であること

助成金の金額

助成金の金額支給対象期ごとの支給額
60万円30万円×2期

なお、助成金は1期(6か月)ごとに支給されます。

主な支給要件

ポイント
  • 35歳以上60歳未満(離職者)で、次のすべてを満たす方
  • ・雇入日の前日から起算して過去10年間に5回以上離職または転職を繰り返している
    ・ハローワークまたは民間の職業紹介事業者などの紹介の時点で失業状態にある
    ・正規雇用労働者として雇用されることを希望している
    事業所の代表者または取締役の3親等以内の親族(配偶者、3親等以内の血族及び姻族)である場合には助成金が支給されません。

  • ハローワーク等の紹介
  • ハローワークの紹介以前に雇用の予約や約束をしていた労働者を雇い入れる場合は助成金が支給されません。
    ハローワークなどの紹介時点と異なる条件で雇い入れられた場合で、対象労働者に対し労働条件に関する不利益、または違法行為があり、かつ、この対象労働者から求人条件が異なることについての申し出があった場合は助成金が支給されません。

  • 対象労働者を正規雇用労働者として、かつ雇用保険の一般被保険者(1週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満である短時間労働者を除く。つまり、1週間の所定労働時間30時間以上)として雇用することが確実であると認められること
  • 対象労働者の雇用管理に関する事項を管轄労働局長に報告すること
  • 対象労働者の雇入日の前後6カ月間(基準期間)に、事業主の都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む。)をしていないこと
  • 対象労働者の出勤状況や賃金の支払い状況などを明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿など)を整備・保管していること
  • その労働者の賃金(時間外手当(残業代や深夜労働手当)や休日出勤手当など基本給以外の手当等を支払っていない場合を含む)をすべて支払っていること
  • 労働保険料を滞納していないこと
  • 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれらの営業の一部を受託する営業について、接待業務などに従事する労働者として雇い入れないこと

その他の支給要件がありますのでご注意くださいますようお願いいたします。

助成金申請の流れ

長期不安定雇用者雇用開発コースの助成金申請の流れ

  1. ハローワークに求人
     ↓
  2. ハローワークの紹介で助成金の対象となる方が応募
     ↓
  3. 採用・雇用契約
     ↓
  4. 助成金の第1期支給申請(雇い入れた労働者の雇用状況など雇用管理に関する事項を報告)
     ↓
  5. 助成金支給
     ↓
  6. 第2期の支給申請(雇い入れた労働者の雇用状況など雇用管理に関する事項を報告)
     ↓
  7. 助成金支給

特定求職者雇用開発助成金活用のポイント

ハローワークに求人を出して紹介を受けること

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース・生涯現役コース・長期不安定雇用者雇用開発コース)は、助成金の対象となる従業員の方をハローワークの紹介によって雇い入れることが大前提となります。

すべては、そこから始まります。

ハローワークの紹介以前に、従業員の方と雇用の予約や約束をしている場合には助成金が支給されませんので、知り合いの方を雇い入れる場合には、原則として特定求職者雇用開発助成金の対象にはならない、または、なりにくいとお考えいただくといいでしょう。

ハローワークの紹介によってどのような方が応募してくれるのか、そして、その方が特定求職者雇用開発助成金の対象になるのかどうか、少し「運」の要素がある助成金と言えるかもしれません。

労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などを整備すること

労働者名簿などを整備することは法律で定められていますが、実際には、これらの書面が整備されていない場合も多いと思います。

特定求職者雇用開発助成金の申請を機にこれらの書面をしっかり整備してもらうことも国の狙いだと言えるでしょう。

助成金の申請をお考えの会社経営者(個人事業主)の方へ

従業員の方を雇用なさる際にも、雇用なさった後にも助成金をもらえるチャンスがあります

このページでご紹介させていただいている助成金は、ハローワークを通して従業員の方を雇い入れた場合に支給される助成金ですが、これ以外にも、正社員化や人材育成の助成金などもあります。

つまり、従業員の方を雇い入れる際から退職なさるまでの間に、何らかの助成金をもらえる可能性があります。

会社経営者(個人事業主)としては、「従業員を雇う=助成金申請(雇用・研修・正社員化・待遇改善・制度導入)」で考えておくといういいと思われます。