総資本回転率とは
総資本回転率とは、その会社の総資本を効率的に活用して売上を獲得できているかを表します。
なお、総資本は期中平均(期首と期末の平均値)で計算します。
総資本回転率の計算式は、総資本回転率(回)=売上高/総資本であり、分子が売上高、分母が総資本ですので、この数値(回数)が大きいほうが、効率的に資産を活用して売上を上げているということが言えます。
実際に総資本回転率を計算してみましょう
総資本回転率を計算するには損益計算書と貸借対照表の両方が必要です。
損益計算書 | ||||
x1年4月1日~x2年3月31日 | (単位:千円) | |||
売上高 | 250,000 |
貸借対照表 | ||||
x2年3月31日現在 | (単位:千円) | |||
資産合計 | 110,000 | 負債・純資産合計 | 110,000 |
※ なお、期首の総資本は100,000とします。
総資本回転率の計算式は、総資本回転率(回)=売上高/総資本、総資本は期首と期末の平均値ですので…
総資本回転率(回)=250,000/105,000=2.38
上記の損益計算書と貸借対照表では、総資本回転率の計算結果が2.38回となりますので、この会社は、1年に総資本の約2.4回分の売上を上げているということになります。
総資本回転率の目安や平均はそれぞれの業種によって異なりますので、同じ業種の平均などを目安にして比較をしたり、その会社の過去3年間の総資本経常利益率と比較したりするといいでしょう。
総資本回転率の数値を上げるには
上記の通り、総資本回転率の計算式は、総資本回転率(回)=売上高/総資本であり、分母が総資本、分子が売上高ですので…
- 分子の売上高を大きくする
- 分母の総資本を小さくする
総資本を小さくするためには、ほとんど使っていない遊休資産の売却や廃棄をしたり、売掛金などの売上債権を回収することや古くなった商品(棚卸資産・在庫)を処分することや、借入金の返済を進めることが必要です。
現状を把握しただけで終わらせずに、将来の目標値を達成するための事業計画を立てることが大切です
うちの会社の総資本回転率はいくらだから高い、または低いということを分析しただけで終わらせてはいけません。
経営分析をしたのは、すでに過去になってしまっている会社の状況です。
それよりもはるかに重要なのは、今後3年間(または5年間)の事業計画を立てて、その間の目標の達成状況と改善を継続することです。
これをしなければ経営分析をする意味はほとんどないと言ってもいいかもしれません。