「雄弁は銀、沈黙は金」を実践すると、仕事も人間関係ももっと良くなります

そもそも、「雄弁は銀、沈黙は金」とは…

雄弁は銀、沈黙は金とは…
雄弁は銀、沈黙は金とは、イギリスの思想家カーライルの「衣装哲学」にある言葉で、「雄弁であることは素晴らしいことだけど、沈黙すべき時を心得ていることはもっと大切なことなんですよ」ということです。

なお、「雄弁」とは、人の心を動かすように、説得力をもって力強く話すことをいいます。

沈黙すべき時を心得るとは、雄弁となるべき時(発言すべきかどうかや発言すべきタイミング)を心得るということです

雄弁となる時を心得ていますか?

  • 自分の意見を言うことが正しいとは限りません
  • 正論を言うことが正しいとは限りません
  • 相手の間違いを訂正することが正しいとは限りません
  • このタイミングが正しいとは限りません

つまり、「沈黙は金」とは、発言内容の問題だけではなく…

  • 発言するのが良いかどうか
  • 発言するタイミングが良いかどうか

ということまでをしっかり見極めて、沈黙すべき時は沈黙することが大切だということなんです。

そして、沈黙すべき時は沈黙するために、相手の話をしっかり聴いて、相手の価値観や考え方を把握することが大切だということです。

相手の価値観や考え方を把握すること、つまり、自分が相づちを打ちながら相手の話を聴いている沈黙が金に変わります

雄弁となるべき時(発言すべきかどうかや発言すべきタイミング)を心得るには、沈黙すべき時を心得て、川の流れに合わせるように、話の流れや相手の価値観や考え方に合わせることも大切です。

会話や会議では、相手の価値観や考え方を把握するために、相手の話をしっかり聴くことを心掛けてみるといいでしょう。

そして、質問をすることによって、さらに相手の価値観や考え方を正確に把握することがきるようになりますので、必要であれば、相手方に質問をしてみることも非常に効果的です。

当然ながら、ただ単に黙っていることが金ではありません。

沈黙を金にできるかどうか…ということも非常に大切です。

相手の価値観や考え方を把握するために、「沈黙は金」に合わせて、「離別感」をしっかり意識しておくといいでしょう

相手の意見が自分の価値観や考え方と異なることがあるのは当然のことなんです

人には、それぞれ価値観や考え方があり、どちらの価値観や考え方が正しいというわけではありません。

自分の価値観や考え方も、相手の価値観も考え方も、両方とも正しい
  • 自分の価値観や考え方は自分にとって正しい
  • 相手の価値観や考え方は相手にとって正しい

それでいいのです。

そもそも、自分と相手はまったく異なりますし、自分の人生と相手の人生はまったく異なりますので、相手の価値観や考え方を尊重する必要があるんです。

それと、相手の価値観や考え方に対して、自分の価値観や考え方のほうが正しいというのはただの傲慢に過ぎないと考えることもできます。

これが「離別感」なんです。

相手の価値観や考え方を参考にすることによって、あなたの人生を立体的で豊かなものにしてくれるはずです

相手の価値観や考え方がルールや法律に反していない限り、それは貴重なひとつの価値観であり考え方であるわけです。

「そういう考え方をする人もいるんだな~」というふうに相手の価値観や考え方を尊重することによって、自分の視野が広がります。

雄弁に自分の意見を主張するよりも、いろんな人の話をしっかり聴いて、「沈黙は金」に変えていくことによって、あなたの人生を立体的で豊かなものにしてくれるはずです。

人は、無意識的にでも、多かれ少なかれ「価値観を認めて欲しい」「共感して欲しい」というところがあります

そして、多かれ少なかれ、誰もが自分が正しいと思っているとことがあります。

だから、自分の意見をを否定されると、逆に「アイツは何もわかってない」ということになってしまう可能性があります。

こういう時こそ、「沈黙は金」と「離別感」が大切です。

「雄弁は銀、沈黙は金」は、日常生活でも仕事でも同じことが言える非常に大切な考え方です

ビジネスの場面では、会話の割合は、「お客さん7、営業マン3」がいいと言われています

相手の話を聴いている時は、相づちをしながら、余計なことを言わずにしっかり最後まで聴いて、必要があれば質問をしたり、質問に答えたりすることが大切です。

このことはビジネスにおいても同じようなことが言えます。

私の事務所にも、週に何度か営業電話がかかってきます。

こちらが電話を切りたいと言っているにもかかわらず、なかなか電話を切ってくれない営業マンの方がいらっしゃいますが、お客さんの話や希望を聴かない営業マンの話を聴いてくれるお客さんがどこにいるのかと思ってしまいます。

「その商品やサービスが本当に良いものだとしても、あなたからは絶対に買いません」ということなんですよね。

もちろん、断られたからと言って、簡単に電話を切っていると仕事にならないかもしれません。

でも、お客さんの話や希望を一切聴かないで、自分の言いたいことを言い続けるような営業マンやその会社から商品やサービスを買うお客さんはほとんどいないはずです。

仮にその営業マンや会社から商品やサービスを買ったとしても、その後もお客さんの話や希望を聴いてくれないことは明らかですから…

「独りよがりの雄弁はただの雑音」に過ぎません

雄弁というのは、価値観や考え方を主張することであり、職業や立場によってはこのことは非常に大切です。

でも、そういう職業や立場でも、価値観や考え方を主張するためには、その前に相手や社会の状況やニーズを把握することが必要です。

相手や社会の状況やニーズを把握しないで、ただ単に自分の価値観や考え方を主張するのは、雄弁ではなく、的外れのただの雑音に過ぎません。

相手や社会の状況やニーズを把握したうえで、相手や社会に合わせた有益な雄弁であることが大切です。

そうじゃなければ、どんなに雄弁であっても、その言葉は誰の心にも響きません。