社会保険労務士試験の受験者数と合格率の推移を見てみましょう
受験者数 | 合格率 | |
平成15年 | 51,689人 | 9.2% |
平成16年 | 51,493人 | 9.4% |
平成17年 | 48,120人 | 8.9% |
平成18年 | 46,016人 | 8.5% |
平成19年 | 45,221人 | 10.6% |
平成20年 | 47,568人 | 7.5% |
平成21年 | 52,983人 | 7.9% |
平成22年 | 55,445人 | 8.6% |
平成23年 | 53,392人 | 7.2% |
平成24年 | 51,960人 | 7.0% |
平成25年 | 49,292人 | 5.4% |
平成26年 | 44,546人 | 9.3% |
平成27年 | 40,712人 | 2.6% |
平成28年 | 39,972人 | 4.4% |
平成29年 | 38,685人 | 6.8% |
社会保険労務士試験の受験者数は、毎年のように減少していて、15年前の約75%程度まで落ちています
また、最近は、合格率が5%程度まで下がってきていて、今後もこのような傾向が続くと予想されます。
つまり、社会保険労務士の合格者数は毎年のように減少しています。
このことをどのように考えるのか…ということですよね。
実は、社会保険労務士試験の難易度はそれほど高くはありません
- 30歳代と40歳代の方を合わせると60%以上を占めている
- 会社員の方が約55%を占めている
- 無職の方は15%程度しかいない
ということのようです。
ということは、仕事や家庭と両立させながら社会保険労務士の試験に合格することは十分に可能であるということです。
そういう意味では、社会保険労務士試験は難易度はそれほど高いというわけではないでしょう。
社会保険労務士試験の勉強時間は少なくとも1000時間くらいは必要です
社会保険労務士の試験に合格するために必要な勉強時間は1000時間だと言われています。
もちろん、個人差があるでしょうから、800時間で合格できる方もいらっしゃるでしょうし、逆に1500時間勉強しても合格できない方もいらっしゃるとは思われますが、だいたい1000時間を目安に考えておくといいでしょう。
なお、合格するまでの受験回数は3回程度と言われているようです。
そこまでして取得する価値がある資格かどうか…ということだと思われますが、それは、それぞれ個人的な考え方があると思われます。
あなたはいかがでしょうか?
社会保険労務士試験は合格基準がちょっとやっかいですよね…
社会保険労務士の試験は、択一式試験と選択式試験にわかれています。
- 総得点の基準
- 各科目の足切りの基準
があります。
このことによって、択一式試験と選択式試験ともに、総得点ははるかに合格基準を超えていても、足切りによって不合格になってしまうということが毎年のように起こります
しかも、どの科目に補正が入るのかの基準がはっきりしません。
特に、選択式試験では毎年のように足切り補正が入るわけですが、足切り補正をしたとしても合格率は例年5~10%程度ということですので、足切り補正をしなければ合格率は1%とか2%とかに近いのではないか…という推測すら成り立ってしまうくらいです。
つまり、社会保険労務士の試験は、毎年のように足切り補正をしなければいけないような試験問題になってしまっているということでもあります。
社会保険労務士の受験予備校に通っている受験生でも対応しきれていないような試験問題であるということなんです。
このことが社会保険労務士試験の最大の特徴と言ってもいいかもしれません。
しかも、合格率が乱高下していることを合わせて考えると、合格者の基準をどのように決めているのかよくわからないところもあると言えるかもしれません。
平成28年から「合格基準点の考え方」や「科目別得点状況表」が公開されているようです
また、科目別基準点の補正は得点分布で決定されるとのことです。
それまでは補正の基準がはっきりわからなかったのですが、補正の基準が少しクリアになったことによって、万が一、足切りにあって不合格になったとしても納得せざるを得ないということになったと言えるかもしれません。
社会保険労務士の魅力について考えてみましょう
社会保険労務士の年収は500~600万円!?
賃金構造基本統計調査の結果によると、社会保険労務士の年収は約500~600万円と言われています。
ただ、正直なところ、この数字が
- 経営者の社会保険労務士の先生の年収なのか
- 社会保険労務士事務所の職員さんの年収なのか
- 経営者の社会保険労務士の先生も合わせた、社会保険労務士事務所の1人あたりの年収なのか
社会保険労務士の試験に合格すると就職に有利になります
社会保険労務士試験に合格すると、社会保険労務士事務所への就職はかなりしやすくなります。
合格するまでの間はなかなか採用されなかったのに、試験に合格したとたん、今までのことが嘘のように簡単に就職できたということも実際にあります。
そして、何年か経験を積んだ後は、社会保険労務士として開業してもいいでしょうし、社会保険労務士事務所で実務を学んだ経験を活かして一般企業に就職するということもいいでしょう。
もちろん、職種によって異なるでしょうが、一般企業に就職する際にも非常に大きなアドバンテージになると考えていいでしょう。
社会保険労務士として開業するのも魅力があります
社会保険労務士で開業する魅力のひとつとして、行政書士と比べると、安定した収入を得やすい資格であるということができるでしょう。
- 顧問
- 給与計算
という継続的に報酬を得やすい業務がありますので、スポット業務が多い行政書士と比べて事務所の経営が安定しやすいという特徴があります。
そして、毎月、関与している会社から、就業規則の作成や変更、助成金の申請などの業務が発生してくるので、プラスアルファ的に収入が安定します。
- 毎年、最低額として、顧問や給与計算の報酬が安定的に確保される
- そして、その会社から就業規則の作成や変更、助成金の申請などの業務が発生してくる
というメリットがあります。
ということは、いかにして顧問や給与計算の仕事を取っていくのか…ということがまず最初の課題となるということですね。
社会保険労務士の難易度を総合的に考えると…
社会保険労務士試験の難易度はそれほど高くありません
- 合格率は5%程度
- 合格者の60%以上が30歳代と40歳代
- 合格者の約55%が社員の方
- 理不尽な足切りがあるが、補正の基準が少しクリアになった
社会保険労務士の試験に合格すると就職に有利になります
- 社会保険労務士事務所に就職しやすくなる
- 一般企業に就職する際にもアドバンテージになる
社会保険労務士として開業するのも魅力があります
- 行政書士と比べて、売上が安定しやすい
- 売上高の上限がない
- 合格者が毎年減少している