労働基準監督署の調査が来た場合にはまず社会保険労務士にご相談ください

注意
労働基準監督署の監督(調査)は、法律上の権限に基づいて行われるものであるため、特段の理由なく拒否することはできません

労働基準監督署の監督官は、会社への臨検監督(立入調査)、帳簿や書類などの検査、関係者への尋問などの多くの権限が与えられています。

また、是正勧告や改善指導に応じない場合や悪質な違反がある場合には司法処分(送検)することができる権限も持っています。

なお、労働基準法には、労働基準監督署の立入調査の拒否、調査の妨害や尋問に対する陳述の拒否、虚偽の陳述、書類の提出拒否、虚偽を記載した書類の提出については罰則も定められています。

労働監督署の主な監督(調査)についてご説明させていただきます

定期監督

定期監督とは…
定期監督は、下記の申告監督と異なり、労働基準監督署が定期的に調査を行っている、最も一般的な監督(調査)です。

なお、過去の監督(調査)状況を見ると、定期監督の7割近くで何らかの違反が指摘されているようです。

違反が指摘された場合には、是正勧告や改善指導がなされ、指定の期限までに是正報告書などを提出する必要があります。

労働基準監督署の調査に対して事前準備や是正勧告に対する対応が必要となりますので、労働基準監督署から定期監督の通知の手紙が届きましたら、まずは当事務所(社会保険労務士(大阪))にご相談くださいますようお願いいたします。

補足

定期監督でも申告監督でも約7割の会社で何らかの違反を指摘されているということは、逆を返せば、労働基準監督署の調査が入れば何らかの指導がなされるのはある意味仕方がないことだと言えるかもしれません。

ただ、一般的に、社会保険労務士が付いている会社は全体の3割程度(税理士の関与率は9割)だと言われていることを考えると違反を指摘されているのが約7割という数字も少しは関係性があるのかな…とは思われます。

申告監督

申告監督とは…
申告監督とは、従業員や退職者の方から「残業代未払い」や「解雇」などについて相談や申告があった場合にその内容を確認するために行われる監督(調査)です。

なお、申告監督の場合には、予告なく会社に来ることもありますが、事前に電話やFAXで連絡が来ることも多いようです。

申告調査の場合では7割ちょっとの会社で何らかの違反が指摘されているようです。

違反が指摘された場合には、是正勧告や改善指導がなされ、指定の期限までに是正報告書などを提出する必要があります。

労働基準監督署の調査に対して事前準備や是正勧告に対する対応が必要となりますので、労働基準監督署から連絡があった場合にはできるだけ早めに当事務所(社会保険労務士(大阪))にご相談くださいますようお願いいたします。

再監督

労働監督署の監督(調査)が行われた場合には何らかの是正勧告や改善指導を受けることが多いですが、是正勧告や改善指導に対して是正報告書などが提出されていない場合や是正報告書の内容に問題があった場合などに行われます。

再監督にも応じず、是正報告書などを提出しない場合には司法処分(送検)がされる場合がありますので注意が必要です。

労働基準監督署の監督(調査)の流れについてご説明させていただきます

監督(定期監督または申告監督)

定期監督の場合には、原則として、労働基準監督署から定期監督の通知の手紙が届きます。

定期監督の場合は、指定の日時に出勤簿(タイムカード)や賃金台帳などを持って労働基準監督署へ出向き、そこで調査が行われます。

申告監督の場合には、原則として、労働基準監督署は予告なしに会社に来て調査を行います。なお、事前に電話やFAXなどで連絡が来て、調査の日時を指定されることも多いようです。

申告監督の場合は、労働基準監督署は、会社への立入調査を行い、出勤簿(タイムカード)や賃金台帳などの確認をしたり、従業員の方に話を聴いたりします。

是正勧告または改善指導

労働基準監督署の調査の結果、違反があると判断された場合に、是正すべき事項と期日が記載された「是正勧告書」が交付されます。

また、違反とまでも言えないけれど、労務管理上改善すべきだと判断された場合には、改善すべき事項と期日が記載された「指導票」が交付されます。

是正報告書などの提出

是正勧告や改善指導を受けた場合には、定められた期日までに、是正や改善を行い、労働基準監督署に報告書を提出しなければなりません。

是正や改善が不十分な場合には、上記の通り、再監督を受けることになります。

是正報告書などを提出しない場合には司法処分(送検)がされる場合がには送検などの司法処分が行われることがありますので、是正勧告や改善指導を受けた場合には、速やかに是正や改善を行い、報告書を提出するようにしなければいけません。

労働基準監督署の調査の主なポイントについてご説明させていただきます

労働条件通知書(雇用契約書)

  • 労働条件通知書が交付されているか(または雇用契約書を交わしているか)
  • 労働条件通知書(雇用契約書)の内容は適切かどうか

労働者名簿

  • 労働者名簿が整備されているか
  • 労働者名簿の内容は適切かどうか

就業規則

  • 就業規則が作成されているか
  • 従業員数が10人以上の場合には労働基準監督署に届け出がなされているか
  • 従業員に周知されているか
  • パートやアルバイトにもきちんと適用されているか

タイムカード(出勤簿)

  • タイムカードや出勤簿が整備されているか
  • 労働時間、残業、休日出勤、深夜労働などを適切に把握しているか
  • 休日を与えているか

なお、長時間労働が社会問題になっていることもあり、タイムカードや出勤後など、労働時間に関するところはしっかり調査がなされます。

賃金台帳

  • 賃金台帳が整備されているか
  • 必要記載事項が記載されているか
  • 最低賃金は守られているか
  • 残業代の計算方法は適切に行われているか
  • 残業代の支払いは適切に行われているか

なお、未払残業代が社会問題になっていることもあり、賃金台帳など、賃金に関するところはしっかり調査がなされます。

36協定

実は、労働基準法では、原則として、従業員の方に1日8時間週40時間を超えて働いてもらうことができないことになっていて、残業や休日出勤をしてもらうためには、労働基準監督署に36協定というものを届出しなければならないことになっています。

タイムカード(出勤簿)を確認して、残業などしていることがわかった場合には、労働基準監督署に36協定の届出がされているかについて確認がなされます。

年次有給休暇

年次有給休暇の取得状況も調査の対象となることがあります。

健康管理

健康診断など、従業員の方の健康管理について調査がなされることがあります。

また、安全衛生管理について調査がなされることもあります。

労働基準監督署の調査の状況ついてご説明させていただきます

調査の状況を知れば、調査に対する事前の対策も可能になります

労働基準監督署の調査は、過去の状況を確認すると、定期監督と申告監督を合わせて1年間で約16万件について行われ、約7割の会社で何らか違反が指摘されているようです。

調査件数違反件数指摘内容
定期監督13万件前後7割弱労働時間、割増賃金(残業、休日出勤)、労働条件の明示
申告監督3万件弱7割ちょっと賃金の不払い、解雇

定期監督に対する対策としては…

  • 労働条件の明示
  • 労働時間の管理
  • 割増賃金の支払
  • 就業規則の整備
を行い、しっかり労務管理をしておくことが大切です。

申告監督に対する対策としては…

  • 残業代の支払いなどのお金のトラブル
  • 退職時のトラブル
が起きないようにしっかり労務管理をしておくことが大切です。

当事務所(社会保険労務士)では労働基準監督署の調査(監督)に対して次のことをさせていただきます

  1. 労働基準監督署の調査に対して、以下の書類等の整備や確認などのお手伝いをさせていただきます
    • 労働条件通知書(雇用契約書)
    • 就業規則
    • 労働者名簿
    • 出勤簿(タイムカード)
    • 賃金台帳
    • 36協定
    • その他
  2. 定期監督の場合には、経営者の代わりに労働基準監督署に出向かせていただきます
  3. 申告監督の場合には、労働基準監督署の調査に立ち会わせていただきます
  4. 是正勧告や改善指導に対する対応をさせていただきます

社会保険労務士の料金はそれほど高額ではありません

当事務所では給与計算のご依頼をいただいている場合には、労務相談にも応じさせていただいておりますし、社会保険などの手続きや助成金の手続きを通常料金の半額でご依頼いただくこともできますのでメリットは大きいと思われます。

ご検討いただければと思います。

助成金を活用して労務管理を行えば実質的負担はほとんどありません

正社員化の助成金は1人57万円
厚生労働省には人材育成や正社員化などの助成金があり、例えば、正社員化の助成金の場合には1人57万円が支給されます。

人材育成や正社員化の予定がある場合には助成金の申請をするようにしておきましょう。

助成金の申請にあたり、就業規則をはじめ、出勤簿や賃金台帳などの整備が必要となりますが、これらをしっかり整備できる良い機会だと考えて、助成金の申請をなさるのもいいと思われます。

就業規則などの整備を社会保険労務士に依頼すると多少は費用はかかりますが、人材育成や正社員化の助成金の場合には助成金のほとんどが手元に残りますので、労務管理にかかる社会保険労務士の費用は実質的に負担がありません。

そして、余剰資金をさらなる人材育成にご利用いただいてもいいでしょうし、販売促進などの費用に充てていただいてもいいでしょう。

そういう意味では、助成金は、労働管理の整備を行いながら、会社のさらなる発展に寄与することができるものだと考えていいでしょう。

助成金などを活用して先に労務管理を整備しておけば、労働基準監督署の調査が来た場合でも大きな傷になることもなく、軽微な指摘程度で済ますことができるはずです。

御社でも助成金を活用した労務管理と余剰資金による会社のさらなる発展をご検討いただければと思います。