経営者の方は必見!労働基準法の労働時間はけっこう深いんです。

必ずお役に立てると思いますので、経営者の方は必ず最後までお読みくださいますようお願いいたします

労働基準法の法定労働時間は原則として1日8時間週40時間となっています

労働基準法では、「使用者は、従業員の方を、原則として1日8時間週40時間を超えて労働させてはいけない」ことになっています。

そして、1日8時間週40時間を超える場合には割増賃金を支払わなけれならないというのは多くの方がご存知だと思います。

労働基準法の割増賃金は次のような計算方法になっています

残業の内容割増賃金の計算方法
1日8時間週40時間を超えて働いた時間の部分時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.25
深夜(午後10時から翌朝の5時までの間)に働いた時間の部分
※これは残業ではなくても深夜の時間帯に働くこと場合に必ず支払わなければならない割増賃金です。
深夜労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×0.25
週1日の法定休日に働いた時間の部分時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.35

残業をした場合の具体的な割増賃金を計算してみよう

例えば、毎週月曜日から金曜日まで、午前9時から午後6時まで(途中1時間の休憩あり、労働時間8時間)で月給○○万○○○○円という働き方で働いている方が午後11時まで残業した場合

残業の時間残業の内容割増賃金・残業代の計算方法
午後6時から午後10時まで1日8時間を超えて働いた時間の部分時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.25
午後10時から午後11時まで1日8時間を超えて働いた時間の部分であり、深夜労働になる部分時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.5

36協定ってご存知ですか?もし36協定を知らない場合には労働基準法に違反している可能性が高いですよ

そもそも労働基準法では残業をしてはいけないことになっています

上記の通り、労働基準法では、使用者は、従業員の方を、原則として、1日8時間週40時間を超えて労働させてはいけません。

とにかく、1日8時間週40時間を超えて働いてもらうことがダメなんです。

えっ?でも他の会社でも残業してるよね?

その通りです。

でも、本当は、上記の通り、労働基準法では、使用者は、従業員の方を、原則として、1日8時間週40時間を超えて労働させてはいけません。

あまりご存知ないかもしれませんが…

実は、労働基準法では、時間外労働、つまり残業をしてもらうためには、労働基準監督署に36協定というものを届出する必要があるのです。

つまり、次のような考え方になるんです
  • 労働基準法では、使用者は、従業員の方を、原則として、1日8時間週40時間を超えて労働させてはいけません
  • 労働基準監督署に36協定の届出をする
  • そうすると、従業員の方に残業をしてもらえるようになる
  • そして、残業をしてもらった場合には割増賃金を支払わなければならない

実は罰則もあるんです

注意
36協定の届出をしないで時間外労働をさせた場合には労働基準法違反となり、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金になる可能があります。

つまり、残業代をしっかり支払っている場合でも、36協定の届出をしないで残業をしてもらっている場合には労働基準法違反になってしまうということなんです。

残業代を支払っていても?

そうです。

そして、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金になる可能がありますので注意が必要です。

実は、「特例措置対象事業場」といって、例外的に労働時間が1日8時間週44時間までOKになることがあります

特例措置対象事業場とは
特例措置対象事業場とは、特例措置の対象業種に該当する場合で、常時使用する労働者(パート・アルバイトを含む。)の人数が10人未満の事務所や店舗のことをいいます。

10人未満の事務所や店舗ということは、実は多くの小規模の事務所や店舗が特例措置対象事業場に該当する可能性がありますね。

特例措置の対象業種とは…

商業卸売業、小売業、理美容業、倉庫業、駐車場業、不動産管理業、出版業(印刷部門を除く。)、その他の商業
映画・演劇業映画の映写、演劇、その他興業の事業(映画製作・ビデオ製作の事業を除く。)
保健衛生業病院、診療所、保育園、老人ホーム等の社会福祉施設、浴場業(個室付き浴場業を除く。)、その他の保健衛生業
接客娯楽業旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地、その他の接客娯楽業

週44時間以内の場合でも、1日8時間を超えると時間外労働になります

特例措置対象事業場の場合でも1日の法定労働時間は8時間までですので、たとえ週44時間以内だとしても、原則として、8時間を超えて働いた場合は、その日は時間外労働となりますので、割増賃金を支払う必要があります。

経営者の方は特に注意が必要です。

つまり、週44時間というのは週休1日の場合を想定しているってことです

原則として1日8時間を超えれば割増賃金を支払わなければならないって、じゃあ、週44時間ってどういうこと?ということですが、これは週休1日の場合を想定しているってことです。

具体的に1日8時間週44時間とはどういうこと?

例えば、週休1日で、毎日同じ労働時間にする場合には…

休み7時間20分7時間20分7時間20分7時間20分7時間20分7時間20分

これで1日8時間週44時間以内にすることができます。

もちろん、週休1日で、各曜日によって労働時間を変えることも可能です

休み7時間30分7時間30分7時間30分7時間30分7時間30分6時間30分

上記の例では、土曜日だけ労働時間を6時間30分としていますが、1日8時間週44時間以内であれば、各曜日の労働時間をバラバラにすることも可能ではあります。

「祝祭日が多い週で1週間の労働時間が40時間以下なのに、1日8時間を超えると割増賃金を支払わなければならないって、どうなのよ?」って思ったことありますよね…

何度も記載していますが、労働基準法では、1日8時間か週40時間のどちらかを超える場合には割増賃金を支払わなければならないことになっています。

例えば…

休み10時間10時間10時間休み休み休み

この場合には、原則として、1週間の労働時間は30時間ですが、1日の労働時間が8時間を超えていますので、その時間に対する割増賃金を支払う必要があります。

でも、変形労働時間制という制度を導入していれば、このような問題にも柔軟に対応しやすくなります

実は、労働基準法には、1か月単位、1年単位などの変形労働時間制という制度があります。

1か月単位の変形労働時間制の場合には、1か月を平均して労働時間が週40時間(特例措置対象事業場の場合は44時間)以内になっていれば、その期間内に1日の労働時間が8時間を超える日があったとしても問題はありません。

1か月単位の変形労働時間制のポイント
祝祭日などがある月の場合には、他の日に8時間を超えて働いた日があったとしても、1か月を平均して労働時間が週40時間(特例措置対象事業場の場合には44時間)以内になっていれば、時間外労働の残業代を支払う必要はありません。

また、1年単位の変形労働時間制の場合には、1年を平均して週40時間を超えない範囲で、労働時間を設定することができますので、柔軟性が高いということができるでしょう。

上記のとおり、1か月単位の変形労働時間制の場合には、1か月を平均して労働時間が週40時間(特例措置対象事業場の場合は44時間)以内になっていれば、その期間内に1日の労働時間が8時間を超える日があったとしても問題はありません。

最後までご覧いただきありがとうございました。そして、このページをご覧になっている経営者の方へ

会社をさらに発展させるために、労働基準法をしっかり守って、残業代も抑える制度を構築しませんか?

現在、残業代請求の問題が増えてきていると思われますが、変形労働時間制を導入していれば、割増賃金を支払う必要がなかったはずなのに、変形労働時間制を導入していないために、割増賃金を支払わなければならなくなっているということも多いと思われます。

このような問題を完全に防ぐことは難しいとしても、このような問題が起きた場合でも会社に対する影響を小さくしておくことは非常に重要だと思われます。

そして、残業代を削減して、その分を、評価や成果に対して給料を支払う仕組みにしていきませんか?

誤解があるとよくありませんが、そもそも、経営者にとっては、長い時間働けば働くほど給料が高くなるということが正しいとは言い切れないところもあると思います。

必ずしも「長い時間働くこと(残業代を支払うこと)=業績が上がる」ということではないということも言えるでしょう。

ここに「労働基準法の労働時間」と「経営上の考え方」の相違が生じてしまいます。

だからこそ、この相違を減らすために、残業代を抑制して評価や成果に対して給料を支払う仕組みを取り入れ、給料に反映させることによって、会社の発展と従業員の方のモチベーションアップにつながることを期待することができると思われます。