行政書士は食えないと思ってがんばるからこそ食えるようになる
「行政書士で簡単に1000万円稼げます」みたいな書籍がありますよね?
行政書士に興味がある方は、1度は手に取ってみたことがあるのではないでしょうか…
- 年収1000万円は無理でも、その半分の500万円くらいなら大丈夫だろう
- 悪くても、行政書士の平均年収前後くらいは大丈夫だろう
という安易な考えに至ることがあるのではないでしょうか…
だからこそ、残念ながら、行政書士になって数年以内に多くの方が行政書士をやめてしまうことになるのです。
行政書士で簡単に稼げるなんて絶対に考えてはいけません
弁護士や税理士でも食えないと言われる時代ですから、ただ漫然とやっていたら、行政書士になっただけで食えないのは当たり前なんです。
そもそも、他士業に比べて行政書士は食えないのです。
行政書士は食えないと思ってがんばるからこそ食えるようになると考えていただくほうがいいでしょう。
そもそも行政書士試験は1000時間の勉強時間で合格する試験
行政書士試験の合格は路上教習前の状態に近いと思っておくほうがいい
社労士試験の場合には実務に関係する内容になっていますし、司法書士試験は登記の申請書類を作成することが内容になっていますが、行政書士試験は実務に関係のある内容の試験ではありません。
しかも、試験内容として一般教養の科目まであるという資格です。
この試験に合格すれば行政書士になってもいいですよってことなんですが、試験に合格しても実務に関係することはほとんどわかっていないという状態なんです。
この試験に合格しただけでは食えないのは当たり前です。
また、社労士の場合には登録するのに2年間の実務経験または事務指定講習といって実務の講習を受けることが必要なんですが、行政書士の場合にはそのような制度はありません。
それなのに、行政書士という資格の上にアグラをかく。
そんな考えでは食えないのも当たり前なんです。
だからこそ、行政書士の場合には、試験合格した後に実務について誰よりも一生懸命勉強する必要があるんです。
その積み重ねがその先の人生を変えていきます。
そもそも、どの業界でも新人が簡単に稼げるほど甘いわけがありません
上位2割が全体の8割の利益を占めているという、パレートの法則というものがあります。
つまり、残りの8割が残り2割の利益を奪い合っているということです。
残りの2割を8割が奪い合っているのですから、考えようによっては、そもそもすごく大変な生存競争だと考えることもできるかもしれません。
行政書士を開業すると、泳ぎ方も歩き方もわからないのに、この8割の中に放り込まれることになります
そして、そこから上位2割(さらに、その上位2割(4%))を目指す戦いがはじまります。
ただ、いつまで経っても泳ぎ方も歩き方もわからないなら、わかろうとしないなら、時間の問題で溺れてしまうということは当然です。
溺れてしまう前に泳ぎ方を覚えなさいということです。
士業大競争時代に完全に突入している
会社設立の仕事をする士業といってどの士業を思い浮かべるでしょうか?
数年前までは行政書士もインターネットで広告を出しているところもあったのですが、現在、インターネット経由で会社設立の仕事を取っているのはほとんどが税理士の先生という状態になっています。
しかも、1クリック数百円もの広告費を投入しています。
圧倒的なパワーがある強者はマーケティングで弱者を無力化することができる、今はそういう時代なんです。
行政書士は食えないと言われるのもある意味仕方がない時代になってきたとは思います。
「でも、その中でどのように生き残っていくか…」ということが大切です。
行政書士は専門分野を1つまたは2つに絞るほうがいい
「何でもできるは何にもできない」のと同じです
いろんな資格を紹介する雑誌などには、行政書士は約1万種類の官公庁への提出書類がある人気のある資格だと紹介があるのを目にすることがあります。
でも、「何でもできる」は、行政書士にとっては、ある意味、デメリットになることもあります。
つまり、「何でもできるは何にもできない」という意味でもあるということです。
何でもできるけど、だからこそ、逆に、各分野については深くは知らないということになってしまいがちで、実はこれが最悪だと考えることもできるのです。
「何でもできるは何にもできない」のと同じだということをしっかり肝に銘じておきましょう。
能力が低いからこそ専門分野を絞る
例えば、行政書士の平均能力が8、Aさんの能力が5だとしましょう。
他の行政書士が5つの分野の仕事をしている場合には1つあたりは1.6、Aさんが2つの分野の仕事に絞った場合には1つあたりは2.5になり、1つの分野に投入できる能力は1.5倍以上になります。
全体の能力は他の行政書士が1.5倍以上であるにもかかわらず、1つの分野に投入できる能力はAさんのほうが1.5倍以上多くなります。
これを数年間続けていけば専門性の差がどんどん広がっていくことは言うまでもありません。
費用が同じくらいであれば(仮に費用が少し高くても)、その分野について詳しい行政書士に依頼するお客さんのほうが多いでしょう。
専門分野を絞るからブランディングできる
行政書士の場合、「〇〇さんと言えば□□□」というふうになることをブランディングといいます。
中心となる専門分野を創ることができれば、その周辺分野に広がっていきます。
不思議ですが、「何でもできます」では仕事が広がらないですが、専門分野を創るとその周辺に広がっていくということはよくあることです。
1箇所を深く深く掘っていくと、自然にその周辺が崩れて広がっていくのと同じかもしれません。
ブランディングってどうすればいいんだろう?といういう場合には、何か中心となる分野を決めて、勉強を続けてみてはいかがでしょうか?
「行政書士なんか食えない」というのはその後でも遅くはありません。
行政書士はインターネット集客を強化したほうがいい
営業力が低いからこそインターネットで集客する
行政書士にはどちらかというと、営業が得意ではない方が多いのではないでしょうか…
インターネットで商品を買ったりすることに抵抗が少なくなっていますが、インターネットで士業の先生を探して仕事を依頼するという流れもしっかり確立されています。
今後、この流れはさらに大きくなっていくことが予想されますので、特に営業力がないならインターネット経由での集客力を高めていくことは絶対に必要となります。
逆に他士業の先生からの紹介の場合であれば、難易度が高いケースでもご依頼をお受けせざるを得ないケースがあるのも事実です。
インターネットで自分で集客すれば、自分でお客さんを判断することができますので、その点は大きなメリットだと思われます。
インターネットでの集客からリピートや紹介への流れを創る
行政書士を含めて、士業の場合には、いわゆる飛び込み営業のような方法で集客が難しいと思われますが、仕事を取って広げていくためには、最初のきっかけが必要です。
そのためにはインターネットでの集客が最適です。
インターネットでの集客では、お客さんが検索してホームページを探してくれますので、問い合わせからご依頼の流れになりやすく、仕事が順調に進めばリピートやご紹介につながりやすいというメリットがあります。
しかも、インターネットでの集客の場合には、いわゆる「待ちの営業」ですので、行政書士にもお客さんにもストレスがありません。
インターネットでの集客ができれば、営業が苦手でも行政書士でまったく食えないということはない
実は私も「行政書士なんか食えない」と言っていた1人です
行政書士になってもほとんど稼げなくて、借りていた事務所を閉めてほぼ廃業状態になっていた時期があります。
しかも数年間も…
だから、実はえらそうなことは言えません。
でも、「インターネットでの集客ができれば行政書士でまったく食えないということはない」ということははっきり断言することができます。
ほとんど費用をかけずに自分でホームページを創って集客することができるんです
無料のテンプレートもありますし、少しお金を出してもいいなら2万円前後でオシャレなテンプレートがありますので、そのテンプレートの画像を差し替えて、文章を書き換えるるだけで、自分で簡単にホームページを創ることができます。
もしキレイな画像が必要ならその部分だけアウトソーシングすることもできます。
高額な費用をかける必要はありませんし、どんどん自分でホームページを増やしていくことができるんです。
もちろん、ホームページ制作会社に依頼して、行政書士の仕事だけに専念するということもいいでしょう。
ただ、その場合でも電話営業をしてくるホームページ制作会社やSEO会社に騙されないように注意が必要です。
事務所に営業電話をしてくる会社でおすすめできるような会社はほとんどありません。
というより、そもそも「インターネットで集客できますよ」と言っている会社が営業電話をかけてくるという矛盾をどうにかしろと言いたいですが…
- 専門分野を絞ること
- インターネットでの集客をすること
- そして、リピートや紹介の流れを創ること
これらは何ら目新しいことではなく当たり前のことなんです
当たり前のことを当たり前にやる。
このことが最も簡単でありながら、最も難しい。
だから、なかなかできない。
だからこそ、当たり前のことを腹をくくってやれる人が行政書士で食っていくことができるのではないでしょうか…