株式会社の株主総会の招集通知や株主総会議事録などの手続き

株式会社の株主総会って何をするところ?何ができるの?

株主総会の権限(株主総会でできること)

取締役会がない場合
<つまり、株主総会だけの場合>
(2層式)
一切の事項について決議できる
<株主総会の権限が強い。株主総会以外に合議体(取締役会)がないんだから、そりゃそうだ。>
取締役会がある場合
<株主総会と取締役会の両方がある場合>
(3層式)
株主総会では、会社法に規定する事項と定款に定めた事項に限り決議できる
<取締役会がある場合には、会社法と定款の規定事項以外は取締役会に権限委譲。でも、定款で定めた事項には制限がない<定款で株主総会の権限を強化できるということ>。>

cf 公開会社は取締役会必置、大会社は会計監査人必置。

株主総会はいつ開催できる、しなければいけない?

定時株主総会 毎事業年度終了後一定時期に招集が必要
(計算書類の承認または報告が行われる)
臨時株主総会 いつでも招集可能

株主総会はどこでするの?

株主総会の招集地(どこでするのか)について会社法には規定がない。<つまり、どこででもOK>

株主総会を招集するには?

取締役会がない場合の株主総会の招集手続き<簡略化>

株主総会の招集決定 原則として取締役
招集通知時期 招集通知は会日の1週間前に発する(定款によって短縮可能)<取締役会がない場合にはとにかく簡略化の方向性>
招集通知方法 原則として口頭でOK<簡略化>
でも、書面またはインターネットで議決権行使できる場合には書面または電磁的記録による通知が必要。しかも会日の2週間前に発送が必要。<簡略化だけど、この辺は当然必要になるよね>
通知内容 原則として株主総会の目的である事項の通知は不要。<簡略化>
書面または電磁的方法による通知を要する場合には、株主総会の目的である事項の通知、参考書類と議決権行使書面の交付を要する<通知しなければ何もわかんないんだから、当然と言えば当然。>
招集通知の省略 総株主の同意で省略可能

cf 公開会社は取締役会必置

取締役会設置会社の株主総会の招集手続き<厳格化>

株主総会の招集決定 原則として取締役会
招集通知時期
<譲渡制限会社に注意>
公開会社は招集通知は会日の2週間前に発する(定款によって短縮できない)<取締役会がある場合はそれなりの規模の会社なんだからちゃんとやろうよ。ということで厳格化。>
取締役会設置会社でも譲渡制限会社の場合は1週間前でOK(定款によって短縮できない<これは同じ>)
招集通知方法 書面または電磁的方法による通知が必要<口頭ではダメだよ>。
通知内容 取締役会設置会社の場合は、原則として、株主総会招集通知に記載した目的である事項以外の事項を決議できない。<とにかく厳格化の方向性>
招集通知の省略 総株主の同意で省略可能<同じ。だって株主全員の同意があるから。>

株主総会の招集手続きは取締役会の有無によって異なる<取締役会ありでも譲渡制限会社は1週間前の通知でOK<注意>>。

このあたりのちょっとまとめ

招集通知時期
  • 取締役会がない場合は、招集通知は会日の1週間前に発する<定款によって短縮可能>
  • 公開会社は招集通知は2週間前<定款によって短縮できない>
  • 取締役会設置会社でも譲渡制限会社の場合は1週間前でOK<定款によって短縮できない>
  • <このあたりの対比は重要>

  • 株主総会の招集通知時期は、取締役会がない場合には定款で短縮できる
  • 取締役会がある場合には定款で短縮できない
  • 取締役会がある場合でも譲渡制限会社の場合は1週間でOK

要件はあるけど、株主も株主総会を招集できるし、いろいろ提案できる

株主による株主総会招集権

  • 総株主の議決権の100分の3以上を有する株主(公開会社は6か月前から)
  • 会社が請求日から8週間以内に株主総会を招集しない場合には裁判所の許可を得て招集できる

定款によって、6か月未満、100分の3未満にできる。

株主提案権

株主が一定の事項を株主総会の目的にするよう請求できる。

取締役会がない会社 株主は誰でも
取締役会設置会社 総株主の議決権の100分の1、または
300個以上の議決権
を有する株主

公開会社ではそれぞれ6か月以上という要件が加わる<定款によって、100分の1、300個、6か月未満にできる>

株主による議案提出権

株式数や期間の制限がない。

同一の議案が総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られず否決された場合にはそれから3年経過しなければ議案を提出できない。<取締役や取締役会が提案した議案にはこの制限はない。定款によって10分の1未満にできる>

このあたりのちょっとまとめ

株主による株主総会招集権
  • 総株主の議決権の100分の3以上を有する株主(公開会社は6か月前から)
  • 定款で軽減できる
  • 請求日から8週間以内に会社が招集しない場合には裁判所の許可を得て招集できる
株主提案権
<取締役会の有無によって異なる>
  • 取締役会がない場合は株主は誰でも
  • 取締役会がある場合
    総株主の議決権の100分の1、または
    300個以上の議決権
    を有する株主(公開会社は6か月前から)
    定款で軽減できる
株主による議案提出権
  • 株式数や期間の制限がない<これだけ公開会社でも6か月前がない>
  • 同一の議案が総株主の議決権の10分の1以上の賛成を得られず否決された場合にはそれから3年経過しなければ議案を提出できない <定款によって軽減できる>
  • すべて、総株主の議決権の…
  • 定款で軽減できる<100分の3以上、100分の1以上または300個以上、10分の1以上>

株主総会で議決権を行使する場合のルール

議決権の代理行使<株主総会決議から3か月間備置>

  • 会社に代理権を証する書面を提出(会社はこの書面を株主総会決議から3か月間<株主総会決議取消訴訟の出訴期間>、本店に備え置き、株主の閲覧に供する必要あり)
  • 代理権の授与は株主総会ごと
  • 定款によって、代理人を株主に限定することが可能<代理そのものを禁止することはできない>

議決権の不統一行使<株主総会の3日前までに議決権不統一行使の旨と理由>

  • 取締役会設置会社の場合には、株主総会の3日前までに議決権不統一行使の旨と理由を会社に通知が必要
  • 原則として会社は不統一行使を拒否できる(定款の規定は不要。他人のために株式を有する場合には拒否できない。)

書面による議決権行使<株主数1000人以上の場合には必要>

株主数1000人以上の場合には書面による議決権行使を認めなければいけない。

株主総会での取締役などの説明義務<会計監査人には説明義務なし>

取締役・監査役・会計参与・執行役(指名委員会等設置会社)は株主から説明を求められた事項について説明義務がある<会計監査人には説明義務なし>

株主総会の決め方はなかなかややこしい

株主総会の決議要件

普通決議
<議決権の過半数出席、出席の過半数>
議決権行使できる議決権の過半数出席 その過半数 定足数を緩和と加重できる。
アタマ数にすることも可能。
特別決議
<議決権の過半数出席、出席3分の2>
議決権行使できる議決権の過半数出席<同じ> その3分の2 定足数を3分の1に緩和できる。<議決権の3分の1出席、その3分の2にできる>
決議要件を加重することもできる。
アタマ数にすることも可能。
特殊決議1
<議決権行使できる頭数の半数、かつ、議決権の3分の2>
議決権行使できる株主の半数以上<アタマ数> 議決権の3分の2<議決権> 定款によって決議要件を加重できる
特殊決議2
<総株主の頭数の半数、かつ、総株主の議決権の4分の3>
総株主の半数以上
<アタマ数>
総株主の議決権の4分の3<議決権> 定款によって決議要件を加重できる

株主総会をしなくても決められる<議決権行使できる株主全員の同意書面で決議ありとみなす>

議決権行使できる株主全員の同意書面または電磁的記録を提出すれば、株主総会開催不要で、株主総会決議ありとみなす

<株主総会だけでなく、種類株主総会、取締役会、清算人会にも同じ制度あり>

株主総会の記録を残しておかなければいけない

株主総会議事録の署名または記名押印、備置

株主総会議事録 出席取締役等の記名押印等不要
<株主総会で代表取締役を選定する場合には商業登記上必要>
本店に原本を10年間 支店に写しを5年間
取締役会議事録 出席取締役監査役の記名押印等が必要 本店に原本を10年間

株主総会等の決議取消しの訴え

提訴権者 株主・取締役・監査役・執行役<決議取消しによって株主や取締役などになる者も含む>
提訴期間 株主総会の決議日から3か月以内
cf 決議無効確認の訴え、決議不存在確認の訴えは、提訴権者と提訴期間の定めなし<誰でもいつでもOK>
提訴原因
  • 招集手続きまたは決議方法が法令や定款に違反し、または著しく不公正
  • 決議内容が定款違反<法令違反は無効(無効確認の訴え)>
  • 特別の利害関係者が議決権行使したことによる著しく不当決議<株主は自分の利益のために議決権行使できる>
その他
  • 対世効(請求認容判決は第三者に対しても効力を有する)
  • 弁論、判決等の必要的併合
  • 総会検査役(総株主の議決権の100分の1以上の議決権を有する株主が株主総会に先立ち裁判所に選任申し立て)

裁判所は、招集手続きまたは決議方法が法令または定款に違反していても、違反事実が重大でない場合で、決議に影響しない場合には決議取消しの訴えを棄却できる。

相互保有株式の議決権行使

不当な影響力の排除 A社がB社の総株主の議決権の4分の1以上を有する場合には、<B社>はA社株式について議決権行使できない
相互保有株式 A社B社ともに、相手方の総株主の議決権の4分の1以上を有する場合には、ともに議決権行使できない

cf 自己株式について、会社は議決権行使できない。配当もできない。