自己資本比率を計算して資本調達構造を分析してみよう
自己資本比率とは
自己資本比率とは、総資本に占める自己資本(純資産)の割合を表します。
自己資本(純資産)は資本金や繰越利益剰余金などの返済義務のない合計の金額のことですので多いほうが好ましいと言えるでしょう。
貸借対照表は、左側(流動資産と固定資産の合計)と右側(流動負債と固定負債、純資産の合計)が同じ金額になりますが、右側(流動負債と固定負債、純資産の各項目)で調達した資金をどのようにして運用しているかを左側(流動資産と固定資産の各項目)で表します。
さらに言うと、右側(流動負債と固定負債、純資産)の上側が負債(借入・他人資本)、下側が自己資本(純資産(資本金や繰越利益剰余金))となります。
自己資本比率は、貸借対照表の右側(流動負債と固定負債、純資産の合計(総資産))に対する自己資本(純資産(資本金や繰越利益剰余金))の割合を表す指標ということです。
実際に自己資本比率を計算してみましょう
まず、貸借対照表の総資本と自己資本(純資産)に注目してみましょう。少し乱暴でざっくりした言い方をすると、貸借対照表の右下を見るとわかります。
貸借対照表 | |||
固定資産合計 | 50,000 | 純資産合計 | 47,500 |
資産合計 | 110,000 | 負債・純資産合計 | 110,000 |
自己資本比率の計算式は、自己資本比率(%)=自己資本/総資産×100%ですので…
自己資本比率(%)=47,500/110,000×100=43.181…
上記の貸借対照表では、自己資本比率の計算結果が43.18%となります。
総資本に占める自己資本(純資産)の割合が43.18%、負債の割合が56.82%となり、資本調達構造を見ると、自己資本(純資産)より負債のほうが多いということになりますが、一般的な平均と比較して、比較的良い数値だと思われます。
それほど大きな問題はなく、財務状況としては健全と言えるのではないでしょうか…
負債比率を計算して資本調達構造を分析してみよう
負債比率とは
負債比率とは、返済義務のある負債(流動負債と固定負債)と返済義務のない自己資本(純資産)のバランスを表します。
安全性を考慮すると、負債は少ないほうが良いと考えられますので、負債比率は低いほうが良いといえるでしょう。
実際に負債比率を計算してみましょう
上記と同じ貸借対照表の一部を使います。
この貸借対照表には負債の金額が記載されていませんが、貸借対照表の右側は上部が負債、下部が自己資産(純資産)になっていて、その合計が負債・純資産合計となりますので、自己資産(純資産)と負債・純資産合計の金額がわかっていれば負債の金額がわかります。
つまり、負債の金額は、110,000-47,500=125,000となります。
自己資本比率の計算式は、負債比率(%)=負債/自己資本×100%ですので…
負債比率(%)=62,500/47,500×100%=132.392…
上記の貸借対照表では、負債比率の計算結果が132.39%となります。
自己資本(純資産)の金額よりも負債の金額のほうが大きいということですが、この数値は決して悪いわけではありません。