イノベータ理論では消費者は5つの層にわかれています
1.イノベーター(革新者)
市場全体の約2~3%程度だと考えられています。
イノベーター(革新者)に該当する人たちは、ある一定の商品やサービスの分野においては、世の中の誰よりも先にその商品やサービスを手に入れることに価値を感じる人ですので、価格に関する意識が薄く、商品の細かいメリットなどにはあまり興味がないといえるでしょう。
そして、こういう人たちの中には、その商品やサービスが流行してくる頃には、さらにもっと新しいものに目が行っているという状態なのかもしれません。
そういう意味では、新しいことを開拓することに価値を見出す、まさに「イノベーター(革新者)」だと言えるのかもしれません。
2.アーリーアダプター(初期採用層)
市場全体の13~14%程度だと考えられています。
アーリーアダプター(初期採用層)に該当する人たちは、例えば、その人が着ている服や使っている商品が売れるというモデルさんや芸能人の方など、次のグループ層であるアーリーマジョリティやレイトマジョリティへの影響力が大きい、「インフルエンサー」または「オピニオンリーダー」と呼ばれる人たちが該当するといえるでしょう。
もちろん、モデルさんや芸能人の方だけというわけではなく、私たちの周りにも「流行に敏感で、自ら積極的に情報収集を行い、新しい商品やサービスを採用する人たち」がいるはずです。
例えば、ある友人たちのグループの中で、最も流行に敏感で、積極的に情報収集を行って、新しい商品を買ったり新しいサービスを受けたりして、友人に対していろいろアドバイスをする人、よく言えば、そのグループのリーダー的な存在の人っていますよね。
そういう人たちは、この「アーリーアダプター(初期採用層)」に該当するといえるでしょう。
もちろん、そういう人たちも、モデルさんや芸能人の方などからいち早く影響を受けていると考えることができますので、そういう意味では、市場全体ではアーリーアダプター(初期採用層)よりも、次のアーリーマジョリティ(前期追随層)に該当すると考えることもできるでしょう。
3.アーリーマジョリティ(前期追随層)
市場全体の34~35%程度だと考えられています。
まさに比較的早めにアーリーアダプター(初期採用層)に追随する人がアーリーマジョリティ(前期追随層)に該当するといえるでしょう。
キャズム理論
商品やサービスが市場に広がる過程において、アーリーアダプター(初期採用層)とアーリーマジョリティ(前期追随層)との間には大きな溝(キャズム)があるといわれています。
いかにしてこのキャズムを超えていくのか、アーリーマジョリティに対するマーケティングが非常に重要になってくるといえるでしょう。
人気があり、情報発信力もあるモデルさんや芸能人をうまく活用したインフルエンサーマーケティングという方法が行われることもあるようです。
4.レイトマジョリティ(後期追随層)
市場全体の34~35%程度だと考えられています。
比較的慎重ではありますが、それでも、流行には乗り遅れたくないという人がこのレイトマジョリティ(後期追随層)に該当すると考えることができるでしょう。
いずれにしても少数派にはなりたくないという心理も働くのかもしれません。
製品ライフサイクルから考えると、レイトマジョリティ(後期追随層)に該当する人たちがその商品やサービスを購入する頃には、商品やサービスの種類が増え、価格競争も激しくなってきている、成熟期から衰退期に向かっている頃と重なると考えていいでしょう。
そういう意味では、商品が増えて価格が下がってきてから買おうと考えている人たちもレイトマジョリティ(後期追随層)の一部に該当するかもしれません。
5.ラガード(遅滞層)
市場全体の14~15%程度だと考えられています。
ある意味、流行には流されない「自分」というものを持っている人だということもできるかもしれませんが、流行が一回転二回転した後に、やっとその商品やサービスを受け入れるような人がこのラガード(遅滞層)に該当すると考えることができるでしょう。
ベンダー(販売者や開発者)として、どの段階で参入し、どのような展開をしていくのか
あなたがベンダーならどの段階で参入すべきだと考えますか?
イノベーター理論的に商品やサービスが普及することを前提とすれば、あなたがベンダーならどの段階で参入すべきだと考えますか?
- イノベーター(革新者)
- アーリーアダプター(初期採用層)
- アーリーマジョリティ(前期追随層)
- レイトマジョリティ(後期追随層)
- ラガード(遅滞層)
理想的な参入段階はキャズムを超えたあたりか…
(もちろん、理論通りにすべてがうまく進むわけではありませんが)イノベーター理論的には、キャズム(アーリーアダプター(初期採用層)とアーリーマジョリティ(前期追随層)との間の大きな溝)を超えたあたりに参入するのがベストに近いといえるでしょう。
または、キャズムを超えることが確信できる段階での参入がベストに近いともいえるかもしれません。
そうすることによって、その分野(商品やサービス)での知名度を上げることが可能になり、その後の展開が比較的スムーズに進みやすいというメリットがあるといえるでしょう。
あなたがベンダーならどのような展開をしていくべきだと考えますか?
もちろん、どの段階で参入するかによって、市場の状況とそれに合わせた展開方法が異なっていくと思われます。
例えば…
- アーリーマジョリティ(前期追随層)の段階で参入するとすれば、市場はどのような状況になっていて、どのような展開が予想されるのか
- レイトマジョリティ(後期追随層)の段階で参入するとすれば、市場はどのような状況になっていて、どのような展開が予想されるのか
成功したその商品やサービスを常に進化させていくことも重要です
キャズムを超えたあたりに参入ができ、成功したかに思えたとしても、その後も、その分野で新たな付加価値が付いた商品やサービスが投入されていきますので、初期段階の商品はその存在価値を失っていくことが予想されます。
一度、知名度が上がった商品やサービスでも油断はできません。
後発組といわれるベンダーが、その分野において、画期的な商品やサービスを投入してきた場合、一気に状況が変わってしまうということもありえるでしょう。
そういう意味では、同じ分野の商品やサービスにおいても常に改善や改良が必要になります。
一方で、新たな分野への挑戦や参入を模索し続けることも必要です
イノベーター理論的に考えると、どの商品やサービスでも普及が進めば需要が一巡する時期が来ると考えられます。
もちろん、付加価値の付いた商品やサービスを投入し続けることによって状況が好転していくことも考えられますが、やはりそれだけでは状況を大きく変えることは難しくなっていくでしょう。
ベンダーとして生き残るためには、常に次の分野への挑戦や参入を模索し続けることも必要です。
自分はイノベータ理論のどの層に該当するのかはけっこう重要かもしれません
イノベーター理論はベンダー側から消費者について考える理論ではありますが、一方で、消費者の1人として、自分自身がイノベーター理論のどの層に該当するのかについて考えることも重要です。
実は、私はラガード(遅滞層)の層に該当すると思います
スマートフォンを使い始めるのもかなり遅かったですし、FacebookやLINEなどを使い始めるのも遅かったです。
そうなると…
- 「えっ?まだガラケーなんですか?」
- 「えっ?Facebookやってないんですか?」
- 「えっ?LINEやってないんですか?」
という、ある意味、不思議(個人の勝手だから)だけど、ある意味、当たり前の状況(市場全体の14~15%だから)におちいります。
もちろん、それでもいいのですが、ビジネスマンとしてはあまり好ましい状態だとはいえないかもしれません。
「消費者の中の先生」的な立場になる
どの分野でも、どのグループの中にでも、「第一人者」や「インフルエンサー」のような立場の人はいます。
人に何かを教えるということはビジネスになります。
つまり、一消費者でもありながら、先生にもなることができて、しかも、少しかもしれませんが、お金を稼ぐこともできる可能性もあるということなんです。
では、その人たちって何が違うのかというと…
- 他の人たちよりも早くその分野の商品やサービスに詳しい
- そして、常にその情報を発信している
- 情報感受性
- 情報発信力
少なくともこの2つが必要です。
周りにとって有益な情報を提供することが最も大切です
これを忘れていては、情報や気持ちは一方通行のままになってしまい、有益な交流が行われることがありません。
そうなると、情報は入ってきにくくなりますし、情報を提供する先も少なくなっていきます。
そういう意味では、人間性も非常に大切です。
以上、イノベーター理論でした
最後、少し脱線しましたが、以上、イノベーター理論について記載させていただきました。