労働基準法の法定休日と週休二日制と休日出勤について正しく理解しましょう

労働基準法では休日は原則として週1日でいい

労働基準法では、「使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけない」ということになっています。

つまり、労働基準法では、休日は1週間に1日(または4週間を通じて4日以上)あればいいと定めているわけです。

これを労働基準法の法定休日といいます。

では、週休二日制の場合ってどういうこと?

例えば、労働時間についても、労働基準法で定める法定労働時間とか、会社が定める所定労働時間のように、休日にも、労働基準法で定める法定休日と会社が定める所定休日というのがあります。

つまり、週休二日制の場合には、1日が労働基準法の法定休日、もう1日が会社が定めた所定休日ということになります。

まぁ、労働基準法では、原則として、従業員の方を1日8時間週40時間を超えて働かせることができませんので、1日の労働時間を8時間にする場合には週に5日しか働けませんので、おのずと週休二日制となってしまうというのが実情でしょう。

週休二日制の場合に休日出勤することになった場合には割増賃金はどうなるの?

休日労働の場合の割増賃金の計算方法とは…

残業の内容割増賃金・残業代の計算方法
週1日の法定休日に働いた時間の部分時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.35
1日8時間週40時間を超えて働いた時間の部分時間外労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.25
深夜(午後10時から翌朝の5時までの間)に働いた時間の部分深夜労働の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×0.25

休日労働の割増賃金については、「週1日の法定休日に働いた」ということが重要です

週休二日制の場合の休日は、1日は法定休日、もう1日は所定休日ですので、その週に休日出勤を1日した場合には、所定休日に休日出勤したことになりますので、労働基準法上では、会社は「休日労働の」割増賃金を支払う必要はありません。

この「休日労働の」というところが重要です。

つまり、週休二日制の場合で、その週の1日だけ休日労働した場合は、労働基準法上では、会社は「休日労働の」割増賃金を支払う必要はありません。

でも、その週の労働時間が40時間を超える場合には、原則として、時間外労働の割増賃金を支払わなければならない

例えば、週休二日制の場合で、その週の1日だけ休日労働した場合には…

休み8時間8時間8時間8時間8時間8時間

この週の労働時間は48時間になりますので、休日労働した日の8時間については、「時間外労働の時間(8時間)×1時間あたりの賃金(円)×1.25」の割増賃金を支払わなければいけないということになります。

でも、実は、労働基準法の労働時間はもっと深いんです。

社長!実は、上記のケースで、割増賃金を支払わなくてもいいケースもあるんです

特例措置対象事業場というのをご存知ですか?

御社の店舗や事務所が10人未満の特例措置対象事業場に該当する場合には、1日8時間週44時間未満の時間について割増賃金を支払う必要はありませんので、上記のケースでは、4時間分についてだけ割増賃金を支払えばいいということになります。

1か月単位、1年単位などの変形労働時間制というのをご存知ですか?

1か月単位の変形労働時間制の場合には、1か月を平均して労働時間が週40時間(特例措置対象事業場の場合は44時間)以内になっていれば、その期間内に1日の労働時間が8時間を超える日があったとしても問題はありません。

また、1年単位の変形労働時間制の場合には、1年を平均して週40時間を超えない範囲で、労働時間を設定することができます。

つまり、上記のケースで、例えば、1か月単位の変形労働時間制を導入して、シフトを組んでいる場合には、その週の労働時間が48時間になっていたとしても、1か月を平均して労働時間が週40時間(特例措置対象事業場の場合は44時間)以内になっていれば、時間外労働になりませんので、割増賃金を支払う必要がなくなるかもしれません。

労働時間と休日労働や残業代の負担などの問題を改善するために…

経営者の方と従業員の方の考え方や立場の違いを埋める

従業員の方の考え方というか、労働基準法の考え方としては、労働した「時間に対して給料を支払う」ということになっています。

このことは、もちろん労働者としての義務や責任はあるとしても、極端な考え方をすれば、成果に関係なく、時間に対して給料が発生するという考え方をすることもできます。

でも、経営者の方は、当然ながら売上(粗利益)の中から給料を支払っているという事実を重視していますし、そうしなければ経営が成り立ちませんので経営者として当然の考え方です。

経営者の方と従業員の方の考え方や立場の違いを少しでも埋めるために、従業員の方にも意識を少しだけ変えてもらうということも重要だといえるでしょう。

会社をさらに発展させるために、労働時間などを整備したうえで、支払うべき残業代はしっかり支払う

1か月単位、1年単位などの変形労働時間制の構築は決してブラックではありませんし、当事務所では、いわゆるブラックな考え方をすすめているわけではありません。

それよりも、会社をさらに発展させるためには、労働基準法などをしっかり守りながら、支払うべきものはしっかり支払うということが重要であると考えています。

当事務所では、大阪を中心に経営者の方のご相談をさせていただいております

助成金についてのご相談もお受けしております

例えば…
アルバイト・アルバイトや有期契約の従業員の方を対象にしたキャリアアップ助成金の場合には、人材育成や正社員化をすることによって助成金が支給されますので、「採用⇒人材育成⇒正社員化」という流れを構築することによって、新しく採用した従業員の方の戦力化と助成金支給がスムーズに行えるようになります。

経営者の方にとっても従業員の方にとってもメリットが高い助成金といえるでしょう。