そもそも知行合一とは…
なお、知行合一とは、中国の儒学者である王陽明が提唱する陽明学の命題である「心即理」「知行合一」「到良知」のひとつですので、行は道徳的規範に合致していなければならず、さらに、心の中も道徳的規範に合致していなければならないということまでもが求められると考えられます。
学んだことは(道徳規範に従って)実践しなければならない
昔も今も、学んでもそれを実行しない人が多かったということなんですね。
だからこそ、知行合一という命題が出されたのかもしれません。
夢や目標を達成するには知行合一が必要です
知行合一の「知」とは、心の中に抱いている夢や目標のこと
上記にもある通り、「知」とは「知っていること」や「学んだこと」でもありますが、心の中にあるもの、つまり、「夢」や「目標」も「知」なんです。
- あなたは、今、仕事や趣味を通じて何を学んでいますでしょうか?
- あなたは、あなたの心の中にどのような「知(夢や目標)」を抱いていますでしょうか?
本当の「知」は「行」によってしか得られない
行のない知はただの机上の空論でしかありません。
いくら心の中で知を抱いていたとしても、それを行に移さなければ決して実現することはできません。
また、知は行によって改善され強化されていきます。
夢や目標だけでなく、学でもそうですし、研究でも同じです。
知行合一はPDCAサイクルそのもの
PDCAサイクルでは、知行合一が2度繰り返されます。
つまり、P(知)D(行)C(知)A(行)ということです。
しかし、多くの方は、PDCAサイクルをなかなか回すことができません。
もしかすると、それは、D(行)を実践する前の、最初のP(知)の段階で終わってしまっているかもしれません。
または、D(行)の段階まではできたとしても、次のC(知)やA(行)に移行することができないのかもしれません。
- 習慣化するまで(意識して)知行合一を繰り返すこと
- 知と行を合一させることを意識すること
このことが非常に大切です。
でも、知を実践することは簡単ではないのも事実です
失敗やそれによる苦痛を避けたい
これは知と行との間にある「メンタルブロック」と言ってもいいかもしれません。
危険や苦痛を避けるという意味では、メンタルブロックはごく自然の脳の働きだといえますので、これは仕方がないことでもあるかもしれません。
危険や苦痛にさらされるのであれば最初からしないほうがいいと考えることもあるでしょう。
でも、実際のところ、知と行の間にある危険や苦痛って具体的に何でしょうか?
もちろん、非常に大きな危険や苦痛がある場合もあると思います。
リスクが大きすぎることもあるでしょう。
でも、あなたが感じている(避けようとしている)危険や苦痛は具体的に何でしょうか?
100%の知(安全)を得たうえで行動に移したい
- 不安だから学ぶ
- でも、まだ不安だから学ぶ
- それでも、まだ不安だからさらに学ぶ
- 学んだことを実践せず、他のことを学ぶ
これでは「不安の無限ループ」が永遠に続きます
どこまで行っても不安だらけです。
もちろん、人の命や尊厳などにかかる場合には100%の知(安全)を得たうえで行動に移さなければいけません。
このことは言うまでもなく当然のことです。
もちろん、行動に移す前に100%完璧の知を目指すことは大切ですが、行動に移さないで学ぶだけでは本当の知とはいえません。
実践して改善を繰り返してこそ、本当の知となるということを忘れてはいけません。
最高レベルの効率性がある知(方法)を得たうえで行動に移したい
「ノウハウコレクター」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉は、ノウハウ、つまり、これよりももっと良い方法があるはずだと思って、ノウハウを探し求める人のことをいいます。
この言葉は、まさに知を得たとしてもほとんど行動に移さない典型例だといえるでしょう。
最初から最高レベルの効率性を求めるのは非効率かもしれません
- 無駄なことをしたくない
- 失敗したくない
- ラクをしたい
- だから、最初から最高レベルの効率性を得たうえで行動に移したい
これらは、まさに知と行の間にあるメンタルブロックのひとつだといえるでしょう。
もちろん、学によって知を強化していくことも大切です。
でも、これでは、いつまで経っても実行に移すことができませんし、行によって得られるはずの知を得ることができません。
これはまさに非効率だといえるかもしれません。
1歩踏み出すとき(1歩目)が最も力が必要で、成果が出るまで時間もかかります
知を実践するために1歩踏み出すためには力が必要ですし、ある一定の成果が出るまでは時間もかかります
これは、100m走をイメージしてみるとわかりやすいでしょう。
100m走では、スタートするときが最もパワー(瞬発力)が必要で、しかもスピードに乗るまで時間がかかります。
つまり、スピードに乗るまでは、消費したパワーとかかった時間に対する効率性があまりよくありません。
簡単にすぐには成果が出ないということを最初から知っておいたほうがいいかもしれません。
知行合一を繰り返すことによってさまざまな力がついていきます
スピードを維持するためのスタミナ(持久力)
走り続けるためのスタミナ(継続力)
これらの力は知行合一を繰り返していくうちに少しずつ身についていくものです。
自分には、これらの力がないから1歩踏み出せないということでは決してありません。
小さな1歩を踏み出すこと。
それをただ繰り返すだけ。
ただそれだけなんです。
小さな知行合一を繰り返しながら自分自身の知(夢や人生)を作り上げていく
知を得るには大きくわけて2つの方法があります。
- 学によって得る知(先人や他の人の知)
- 行によって得る知(自分自身の知)
これらを繰り返し、さまざまなことから知を吸収することによって、自分自身の知(夢や人生)を作り上げることができるのです。
「学による知」「行による知」のどちらも必要不可欠です
どちらかだけでは自分自身の知(夢や人生)を作り上げることができないといえるでしょう。
どちらも必要なんです。
そして、それによって得た知によってさらに実践する。
このことが大切です。
(本意、不本意にかかわらず)知と行は一致します
実は、ほとんどの場合、人は自分が思った通りに行動しています
例えば「私は、自分の思いを抑えて、他の人に合わせているから、自分の思った通りにはほとんど行動できていない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、それは、自分が思った通りに行動していることになっているんです。
いろんな選択肢がある中で、他の人に合わせるということを選んでいるということなんです。
それを選ぶ理由はいろいろあるでしょう。
でも、不本意かもしれませんが、いくつかの選択肢の中からそれを選んで行動しているんです。
そういう意味では自分が思った通りに行動しているということです。
屁理屈かもしれません。
でも、いくつかの選択肢の中から自分で選び(本意、不本意にかかわらず)行動しているということは事実です。
情熱を持って知行合一させなければならない
(本意、不本意にかかわらず)知と行は一致します。
だからこそ、情熱を持って、できるだけ本意の方向に知行合一させなければならないんです。
知行合一とはそういう意味なんです。
もちろん、道徳規範に従って…
到良知も非常に大切ですので決して忘れてはいけません。
どうしてもそうしたかったら、どうにかしてでもそうしようとするのも人間なんです
・何かしたいことがある
・でも、いろんな問題があるのでそうすることができない
こういうことはよくあることです。
結局のところ、知行合一とはそういうことなのかもしれません。