行政書士試験では500~800時間、社会保険労務士試験では800~1000時間といわれているようです
もちろん、試験に合格するために必要な勉強時間は、その人のおかれている環境によっても異なってくるところがありますので、これは単なる目安の程度にしかすぎませんが、そうは言ってもこれくらいの勉強時間が必要だろうということではありますので重要な数字と言えばそうなるでしょう。
少なくともこの時間くらいは勉強するという考えが必要です。
早く合格したければ、少なくとも…です。
では、1日の勉強時間は…
- 行政書士の場合には1日1時間半から2時間半
- 社会保険労務士の場合には1日2時間半から3時間
つまり、行政書士に合格するには、平均して1日2時間くらいは勉強しなければいけません。1年でも早く行政書士試験に合格したい場合には、できれば2時間半以上は勉強するほうがいいと思います。
つまり、社会保険労務士に合格するには、平均して1日3時間くらいは勉強しなければいけません。1年でも早く社会保険労務士試験に合格したい場合には、できれば3時間以上は勉強するほうがいいと思います。
すき間の時間をあなどることなかれ!すき間の時間を徹底的に活用しよう
1日数分の勉強時間は1年に何時間になるのか…
- 1週間で105分、つまり1時間半以上
- 1か月で450分、つまり7時間半
- 1年で5475分、つまり90時間以上
にもなります。
1日15分が1年で考えると90時間以上、つまり、合格するために必要な勉強時間の約10%程度にもなりますので、決してあなどることはできません。
少し時間を工夫してみるだけで勉強時間を増やすことは十分に可能です。
数分程度~10分程度のすき間の時間はいっぱいあります
- 電車の待ち時間(数分)
- もちろん電車の移動中(数分から10分か20分程度)
- 定食屋さんで注文したものが出てくるまでの間(数分)
- 仕事の前と後(数分ずつ)
- その他の待ち時間
すき間の時間にやっていた勉強は…
私の場合には、一問一答式の問題をやっていました。
一問一答式の問題なら、1問数十秒程度で区切ることができますので、すぐに勉強を始めてすぐにやめることもできますので、一問一答式の問題はすき間の時間の勉強には最適です。
机のうえではあまり問題を解かないで、その他の勉強をする時間に充てていました。
独学か、それとも予備校か…?
個人的には、行政書士、社会保険労務士ともに、独学より予備校をおすすめします
- 講師の先生の説明に意味がある、理解の助けになる
- 試験までの勉強のペースが乱れにくい
- 他の生徒との仲間意識と切磋琢磨ができる、心の支えになる
- そもそも高額なお金を支払っているということ
予備校の授業で使うテキストが市販のものと比べて格段に良いかどうかはわかりませんが、独学と違い、予備校の場合は、講師の先生の説明がプラスされますので、理解の助けになり、効率が良くなるということが非常に大きいと思います。これが1番大きなメリットです。
もちろん、予備校に通う時間や費用などのデメリットはありますが…
予備校の授業は目標となる試験日に向けてスケジュールが組まれていますので、甘えがききません。もちろん予備校の授業に付いていくのが大変ではありますが、勉強のペースが乱れにくいというメリットが大きいと思います。
行政書士の試験も社会保険労務士の試験もいざ勉強するとなると大変です。会社に勤めながらであればなおさらです。すごく仲良くならなくても、周りに自分に似たような環境や境遇の生徒がいることは大きな心の支えになると思います。
行政書士も社会保険労務士も試験勉強はかなり長丁場になりますので、途中ですべてを放り出してやめてしまいたいと思う時もあるでしょう。でも、そういう時は、ここでやめるとお金がもったいないと思うことがあることもアリかもしれません。
独学でも予備校でも、どちらにしても1年でも早く合格することと、合格するまであきらめないことが重要です。
社会保険労務士試験、行政書士試験の問題の解き方とは…
結局は、1番可能性の高いものを選択肢の中から選ぶか、可能性の低いものを消していくかだけ
そんなこと当たり前だと思うと思いますが、マーク式の試験は、結局は、答えは選択肢の中に必ずありますので、その中から1番可能性の高いものを選ぶか、可能性の低いものを消していくかだけです。
つまり、5つの選択肢のすべてが完全に正確に判断できなくても(実際に本試験では完全に正解を判断できるもののほうが少ないと思います)、5つの選択肢中で、他の4つの選択肢はよくわからないけれど、答えはこれしかないだろうというものを選んだり、この選択肢が答えかどうかはわからないけど、他の4つの選択肢ではないだろうと消していくことでも正解にただりつけるということです。
ただ、重要なことは、いわゆるただのカンではなく、自分の中で根拠をしっかり持って、または根拠のあるカンで、選んだり消していったりするということです。
つまりは、できるだけ確実に、より多くの選択肢を消していけるかどうか、それが勝負の分かれ道になります
簡単に正解の選択肢を選ぶことができればいいのですが、行政書士でも社会保険労務士の試験でも、本試験で確実に正解の選択肢を選ぶことができない問題が多いのが事実です。
そのままストレートに出題されにくい傾向があると思われます。
そういう場合は、5つの選択肢の中から、正解ではない選択肢を1つずつ消していき、4つ、3つ、2つ、1つに絞っていくという作業を繰り返すことになります。
最後の1つに絞ることができればいいのですが、そうでない場合には、4分の1、3分の1、2分の1の戦いになります。
でも、こういう戦いをしていると正答率は上がりません。
合否を分けるのは、正答率が高い問題を絶対に落とさないということ
5つの選択肢の中から選択肢を選ぶ場合、正答率は20%です。
でも、模擬試験などを受けると、正答率が20%や25%前後という問題も出てきます。この問題は確率論を超えた問題というか、こういう問題は誰もが正確に判断ができていない問題ですので、その問題に正解したとか、落としたとかは重要な問題ではありません。
このような問題は合否をわけるような問題ではありません。
それよりも誰もが正解しているような、正答率の高い問題を落としている場合のほうが、よほど重大な問題です。
このような問題をいくつも落としているようでは、平均して力を発揮することができません。いつでも、どの試験でも、力を発揮できるように、しっかり力を付けていくことが重要です。
勉強した知識や理解力を駆使して、できるだけ確実に、より多くの選択肢を消していけるかどうか、それが勝負の分かれ道になる。
社会保険労務士試験、行政書士試験の勉強法とは…
あいまいな記憶では合格できない
上記に記載している通り、試験で問題を解くということは、できるだけ確実に、より多くの選択肢を消していけるかどうか、それが勝負の分かれ道になります。
ポイントのひとつは、確実に選択肢を消していくということですので、「あれっ?どっちだったっけ…」ということでは、その選択肢を選んだり消したりすることができませんので、3分の1、2分の1の戦いを脱することができません。
あいまいな記憶ではなく、しっかりした記憶や理解をしておかなければ、行政書士や社会保険労務士の試験に合格することが難しくなります。
では、どうやってあいまいな記憶をなくすのか…?
記憶があいまいになりやすいところは、似ている項目と対比している項目、つまり「類似」や「対比」です。
ここは、まさに、あいまいな記憶ではどちらがどちらだったかわからなくなってしまうところですので、試験でも出題しやすいところでもあります。
基本的なところではありますが、あいまいになりやすいところはしっかり押さえておき、確実に選択肢を選んだり消したりできるようにしておかなければいけません。
試験勉強をしている際に「あれっ?どっちだったっけ…」というところが出てくると、できればそれに似ているところも合わせて整理しておくことをおすすめします。
「類似」「対比」を整理しながら繰り返し勉強していると見えてくることもある
「類似」「対比」を整理しながら全体を何度も繰り返して勉強してくると見えてくることがあります。
言葉では表現しにくいのですが、単純化された、標準化された、根底に流れる大切なことが見えてきて、「あっ、そうだったのか!」「だから、そうなるのか…」と一気に理解が進むこともあります。
ある種の、なんとなく理解ができるようになった状態というのかもしれません。
このことが非常に重要で、本試験で自分の知識ではわからない選択肢が出てきた場合にも、ある一定の理解によって、△だけど、○っぽい、×っぽいという判断が、なんとなくできるようになります。
試験勉強は、自分のあいまいな記憶を見つけ、「類似」「対比」で整理して、あいまいな箇所を消していく作業。そうすれば少しずつ理解力も身に付いてくる。
ノートを作るのか、作らないのか…?
非常に難しい問題ですが…
これは賛否両論があると思いますが、私は、社会保険労務士の試験を受ける際にノートを作りました。
もちろんノートを作らないという考え方もあります。ちなみに行政書士試験ではノートを作っていません。
時間がかかりますから…
特に、出題範囲が広い試験についてはノートを作っていては時間がいくらあっても足りません。
でも、私は、社会保険労務士の試験の受ける際にノートを作ってよかったと考えています
- 予備校の授業を受けている時から、ノートを作る際のポイントを意識して授業を受ける
- できるだけ簡潔にポイントを整理する
- ほどよいスペースを空けておく
- 次の授業までに何度か読み込むというか、刻み込む
- 気付いたことを書き込んだり、横断的な視点から他の教科との「類似」「対比」を整理したり気付いたことを書き込む
- 定期的に戻って、何度も読み込むというか、刻み込む、気付いたことを書き込むことを繰り返す
- 横断的に「類似」「対比」を整理して「理解」ことによって記憶や理解が連鎖してい
「類似」「対比」を意識して、要点やポイントを整理しながら授業を聴くということは非常に重要です。
残酷な話ですが、一緒に授業を受けている人たちの中に、その年の試験に合格する人とそうじゃない人がいます。
勝負の分かれ目は授業の時から始まっています。
自分以外の誰も読めない汚い字でいいです。
できるだけたくさんのことを記憶しておきたいという不安もあるので、たくさんのことをノートに整理しがちですが、自分の記憶力や理解力を過信しすぎず、できるだけシンプルに整理しておき、それを絶対的に確実に記憶しておくことも大切です。
重要なことは「類似」「対比」です。
そして、教科を超えて横断的に理解することです。
後でいろいろ書き込むことができるように詰め過ぎないことが大切です。
どんどん気付いたことや、他の項目や他の教科の横断的な「類似」「対比」を整理して理解を進めていくことができるようにほどよいスペースを空けておく。
当時、私はTACの社会保険労務士講座に通っていたのですが、毎回授業の初めに前回の授業についてのミニテストがありましたので、そこに向けて読み込むというか、刻み込む。
それに合わせて問題集などで記憶の確認や足りないところの補足をしておきます。
教科が進んでいくと、どんどん記憶があいまいになりやすくなります。
用語も似ているものが出てくるし、要件なども似ているものが出てきます。これが記憶をあいまいにしている最大の要因です。
そういうところのポイントは教科を超えて整理して書き込んでいきます。
そうすることによって記憶をしっかり整理することができ、教科を超えて理解が進むようになります。
各教科を分断して考えないようにしなければいけません。
記憶はいつまでも続くわけではありませんので、定期的に記憶を取り戻してあげることが必要です。
それととも重要なことは、各教科との横断です。
そうすることによって整理や理解が進み、相乗効果を発揮することがあります。
書き込みや読み込みを繰り返してノート一面が真っ黒になって自分以外は誰も読めないくらいになっていく頃には、教科を超えて横断的に「類似」「対比」を整理して「理解」が連鎖的に進んでいるようになっているはずです。
ノートを作るためには時間がかかるかもしれません。でも、私は時間の勉強時間の短縮や勉強の効率化ができたと考えています。
答案練習会や模擬試験を受けて力試し
ある程度の実力がある場合には、お金はかかりますが、答案練習会や模擬試験を受けてみることをおすすめします
- どの時でも、どのような問題でも、平均して実力を発揮することができるかどうかを確認する
- 正答率の高い問題を落としていないか、他の受験生と比べて自分の弱い項目を確認す
- あと、余裕があれば他の予備校の模擬試験を受けてみる
行政書士の試験でも、社会保険労務士の試験でも、本試験では今まで見たことがないような選択肢もそれなりに含まれています。
でも、そのような問題でも、選択肢を消していくことによって正解に導くような糸口はあるわけです。
どの答案練習会や模擬試験でも平均して実力を発揮できるかどうかを確かめてみることは非常に重要です。
上記に記載している通り、本試験での合否を分けるのは誰もが正解している問題を落とさず点数を積み重ねていくことです。
答案練習会や模擬試験を受けてその結果を反省すべきところはここのところです。
そして、自分が弱い項目については、次の答案練習会や模擬試験や、本試験までに整理をして確認をしておく必要があります。
そういうところを見つけて修正していくという機会でもあるので非常に重要ではあります。
ただ、だからといって答案練習会や模擬試験を受けすぎると消化不良になってしまう可能性もありますので、そのあたりのことも考えながら…ということになるでしょう。
俗にいう、他流試合ですよね。お金と時間に余裕があれば受けてみてもいいとは思います。
社会保険労務士、行政書士の本試験の前に注意しておくこと
体調を整える
社会保険労務士の試験は8月ですので食事などにも気を付けながら体調を整えておくことが非常に重要です。
また、行政書士の試験は11月で季節の変わり目で体調を崩しやすい時期でもあります。
できるだけベストに近い体調で受験ができるようにしておくことが重要です。
気持ちに余裕を持つ
だいたいどの試験もそうですが、本試験の前は精神的に追い込まれてしまいます。
それが普通です。
その上に焦って無理して勉強をし過ぎると体調を崩してしまう可能性もありますので、できるだけ今まで通りの状態をキープして、勉強はおさらいを中心にするくらいでもいいかもしれません。
最後に…
試験の女神が微笑んでくれるように、本試験前の行いに気を付けよう
「運も実力のうち」といいますが、本試験では、やはり「運」も見方に付ける必要もあります。
特に本試験前には、自分自身の行動に注意して、「運」を落とさないようにしておくことも大切かもしれません。