八正道の生き方をすれば悩みも苦しみもなくなり心が軽くなります

八正道とは、人間が正しい生き方を実践するための八つの方法のことをいいます

  • 正見(しょうけん)
  • 正思惟(しょうしゆい)
  • 正語(しょうご)
  • 正業(しょうぎょう)
  • 正命(しょうみょう)
  • 正精進(しょうしょうじん)
  • 正念(しょうねん)
  • 正定(しょうじょう)

正見(しょうけん)とは…

正見とは、自己中心的な思い込みや主観的に物事を見ないで、あるがままに、本質を見ることをいいます

同じものを見たとしても、人によって見え方が異なります。
なぜなら、その人の思い込みや主観によって見方(解釈)が異なるからです。

同じことが起きたとしても、人によって感じ方が異なります。
なぜなら、その人の思い込みや主観によって感じ方(解釈)が異なるからです。

同じものや同じことでも、人によって、必要以上に重大なことだと解釈してしまったり、このままの状態が永遠に続いてしまうのではないかと錯覚してしまったりすることがあります

でも、本当は、目の前にあるもの、目の前で起きたことは、「空」(実態がないこと)であり、「諸行無常」(すべてのものは刻一刻と常に変化するということ)であることを、あるがままに見ることが大切です。

そう言っても、人間ですからそんなに簡単なことではありません。今までそうやって生きていたわけですから、今すぐに切り替えられるものでもありません。

そういう場合には、中道(どちらかに偏らない、偏り過ぎないこと)、つまり、今の自分の見方や感じ方はどちらかに偏り過ぎていないかどうかを、心を鎮めて考えてみるといいかもしれません。

正思惟(しょうしゆい)とは…

正思惟とは、自己中心的な考え方をしない、自己中心的な心(意の三悪)を持たないことをいいます

意の三悪とは
意の三悪(自己中心的な考え方や自己中心的な心)として次の3つがあります。

  • 貧欲(自分の欲望に従ってむさぼる心)
  • 瞋恚(自分の思い通りにいかないと怒る心)
  • 害心(自分のことばかりを優先して誰かを傷付ける心)

意の三悪(自己中心的な考え方や自己中心的な心)を持っていると、どんどんどんどん苦しくなっていきます。

自分を中心にすると苦しくなるんです。

その苦しみから解放されるために、これらを捨てる(持たないようにする)こと(正思惟)が大切です

  • 無貪欲(むどんよく)
  • 無瞋恚(むしんに)
  • 無害心(むがいしん)

そうれば心は軽くなります

  • 自分を中心に考え過ぎると苦しくなる。
  • でも、その自分を変えると心が軽くなる。

自分の心を苦しくするのも、軽くするのも、誰でもない自分自身だということです。

正語(しょうご)とは…

正語とは、禍の元となるような「口の四悪」を行わないことをいいます

口の四悪とは
口の四悪として次の4つがあります。

  • 妄語(嘘をつく)
  • 両舌(他人を仲違いさせるようなことを言う、二枚舌)
  • 悪口(乱暴な言葉を使う、悪口を言う)
  • 綺語(口から出任せのいいかげんなことを言う)

「口の四悪」を行うと、自分が気付かないうちに、人の心は少しずつ離れていきます。

自分が気付くのは、人の心が離れてしまった後のことです。

そして、悩み、苦しむのです。

そして、また、口の四悪を繰り返してしまうのです。

「口の害悪」の苦しみから解放されるために、これらを行わないようにすること(正語)が大切です

  • 不妄語
  • 不両舌
  • 不悪口
  • 不綺語

そうれば、悩みや苦しみはなくなります

  • 悩みや苦しみの元を作っているのは自分自身の行いです
  • 自分自身の行いを変えると悩みや苦しみはなくなります

悩みや苦しみを作るのも、悩みや苦しみをなくすのも、誰でもない自分自身だということをしっかり理解しておかなければいけません。

正業(しょうぎょう)とは…

正業とは、本能に任せるままの行い「身の三悪」ではなく、正しい行いをすることをいいます

身の三悪とは
「身の三悪」として次の3つがあります。

  • 殺生(むやみに生き物の生命を絶つこと)
  • 偸盗(人の物を盗むこと)
  • 邪淫(社会道徳に反する性的関係を持つこと)

「身の三悪」とは、誰かの、何かを、奪うこと。

世の中の仕組みの大原則として、誰かの何かを奪ったとしても、自分自身が幸せになることは絶対にありません。

ただただ、その後に自分が悩み苦しむことになるだけです。

その悩みも苦しみも、すべて自分の行いから生まれるのです。

そうならないためには、これら「身の三悪」を行わないようにすること(正業)が大切です。

  • 不殺生
  • 不偸盗
  • 不邪淫

そうれば、悩みや苦しみはなくなります

  • 悩みや苦しみの元を作っているのは自分自身の行いです
  • 自分自身の行いを変えると悩みや苦しみはなくなります

悩みや苦しみを作るのも、悩みや苦しみをなくすのも、誰でもない自分自身だということをしっかり理解しておかなければいけません。

そして、幸せになるためには、誰かの何かを奪うのではなく、誰かに何かを与え続けること、そういう人になることだと言えるのではないでしょうか…

正命(しょうみょう)とは…

正命とは、道徳に反したり、世の中の為にならないような仕事はせず、正当なことをして生活の糧を得ることをすることをいいます

  • 裏金作りをする政治家や役人
  • 賄賂を受け取り便宜をはかる政治家や役人
  • 産地偽装をする会社
  • 検査結果を改ざんする会社
  • 詐欺的な投資話でお金を集める者
  • まったくの虚偽説明をする営業マン
  • パワハラを繰り返す上司
  •   ・
      ・
      ・

例を挙げるとキリがありません。

こういう人たちは、その後、自分がそれまでにしてきたことによって身を滅ぼしてしまいます。

因果応報

  • 自分がまいた種は最終的に自分で刈り取ることになります
  • どのような種をまき、どのように育てていくのか…

種をまき、育てるのも、そして、それを刈り取るのも、誰でもない自分自身だということをしっかり理解しておかなければいけません。

正精進(しょうしょうじん)とは…

正精進とは、自分に与えられた使命や目的に対して、とらわれ過ぎたり偏ったりしないで、正しく、一途に努力し続けることをいいます

自分に与えられた使命や目的に向かって必死に努力してがんばっているとしても、自分を苦しめ、自分の周りのことも顧みず、そして、自分の周りにも心配させてしまったりするようでは、それは正しい努力とは言えません。

自分に与えられた使命のためだとしても、自分、自分、自分…となってしまうようなことでは、他の人のためにも、自分のためにもなりません。

とらわれ過ぎたり偏ったりしていないか、自分自身の行いを正しく見て、中道を行く、程よい精進を続けていくことが大切です。

そういう心の余裕と心の安定が必要だということです。

正念(しょうねん)とは…

正念とは、本質や真理を求めようとすること、本質や真理に気付こうとすることをいいます

「念」とは、今の心はどういう状態なのか、「今」の「心」の状態をいうのかもしれません。

そして、「念」には、非常に短い時間という意味や、対象に向かって心を集中して冥想するという意味もあるようです。

つまり、正念とは、一瞬一瞬の心の状態に集中して、今の心の状態に気付くことであると考えることもできるでしょう。

正定(しょうじょう)とは…

正定とは、心が安定した迷いのない状態にすることをいいます

座禅やマインドフルネスに近いイメージと考えていいかもしれません。

正定とは…
  • 今の心の状態に気付くこと
  • そして、心のざわつきを静め、心を落ち着かせ、安定させること

この方法を身に付けることによって、常に、安定した心の状態で、安定した能力を発揮することができ、トラブルも未然に回避することができるようになるはずです。

そうすることによって、悩みや苦しみの種を自らまいてしまうこともなくなるはずです。

お願い

私は僧侶でも仏教学者でもありませんので、八正道について本当の意味の解釈とは違っているところもあると思いますが、ご寛容のほどお願い申し上げます。