妻の浮気相手への慰謝料請求と夫婦間の離婚協議について解説いたします
浮気の慰謝料の相場は100~300万円と言われているけど…
浮気の慰謝料の相場は、浮気の期間などの事実関係や離婚するのかしないのかなどによって異なります。
- 離婚しない場合には50~100万円
- 別居に至った場合には100~150万円
- 離婚に至った場合には150~300万円
ざっくり言うと、浮気の慰謝料の相場はこんなカンジです。
つまり、妻の浮気相手に慰謝料請求するにあたり、この後、妻との夫婦関係をどうしていくのか(離婚しないのか、別居になるのか、離婚するのか)の方向性を、ある程度、決めておく必要もあるということです。
なお、浮気の期間が数か月の場合には、この金額よりも低くなることもあるでしょう。
「慰謝料請求の金額=最終的に合意に至る金額」ではありません
当たり前と言えば当たり前です。
ただ、ひとつ注意していただきたいのが、弁護士の先生、行政書士や探偵さんに慰謝料の相場を相談する際に注意するべきことがあります。
- 慰謝料請求の金額なのか?
- それとも、最終的に合意に至る金額なのか?
- そして、一般的にその金額で合意できる可能性がどれくらいあるのか?
ということにご注意ください。
つまり、「慰謝料は300万円くらい請求できますよ」と言われても、その金額が最終的に合意できる可能性がどれくらいあるのかどうか…ということは非常に重要です。
妻の浮気相手への慰謝料請求から示談までの一般的な流れはこんなカンジです
1.妻の浮気相手に慰謝料請求する
慰謝料請求とは、妻の浮気相手に対して「慰謝料を支払え」「もう連絡を取ったり会ったりするな」などを伝えることですのでいくつか方法があります。
次の中から、あなたがやりやすい方法を選んで慰謝料請求を進めていきます。
- 電話で話し合う
- LINEまたはメールでやり取りする
- 直接会って話し合う
- 内容証明郵便を送る
2.示談書を交わす
慰謝料の金額や支払い方法が決まりましたら、浮気相手との間で示談書または公正証書を交わします。
- 一括で支払う場合は示談書を作成します
- 分割で支払う場合は公正証書を作成します
3.慰謝料を支払ってもらう
一般的に、示談書を交わした後に慰謝料の支払いとなります。
- 銀行口座に振り込んでもらう
- 直接会って手渡ししてもらう
- 示談書と同時に支払ってもらう
妻の浮気相手に慰謝料を請求して示談するまでにはいろんなパターンがあります
慰謝料請求から示談までの一般的なパターンはこんなカンジです
- 慰謝料請求から示談書作成までをすべて自分でする
- 内容証明郵便の作成や示談書の作成を行政書士に依頼する
- すべて弁護士の先生にお任せする
- これらを複合的に組み合わせる
オプションとして、浮気調査を探偵さんにお願いすることもあります
浮気の証拠が必要な場合には、探偵さんに浮気調査をお願いすることを検討することも必要かもしれません。
浮気調査の方法や調査費用などは、探偵さんにご相談いただければと思います。
不倫の証拠が必要だとお考えなら、探偵事務所にご相談なさってみるのもいいかもしれません。
慰謝料請求から示談書作成までをすべて自分でする
パターン1
- 自分で妻の浮気相手と話し合う(LINEまたはメールでやり取りする)
↓ - 自分で示談書(または公正証書)を作成する
↓ - 慰謝料が支払われる
妻の浮気相手に会う場合には、絶対に相手の体や物に触れないようにご注意くださいますようお願いいたします。
最悪の場合、警察沙汰になるとともに、慰謝料などを支払うことになってしまう可能性もありますので十分にご注意ください。
パターン2
- 自分で内容証明郵便を作成して妻の浮気相手に送る
↓ - 自分で示談書(または公正証書)を作成する
↓ - 慰謝料が支払われる
内容証明郵便の作成や示談書の作成を行政書士に依頼する
パターン1
- 行政書士に依頼して、妻の浮気相手に内容証明郵便を送る
↓ - 行政書士が示談書(または公正証書)を作成する
↓ - 慰謝料が支払われる
パターン2
- 自分で妻の浮気相手と話し合う(LINEまたはメールでやり取りする)
↓ - 行政書士に示談書(または公正証書)の作成を依頼する
↓ - 慰謝料が支払われる
すべて弁護士の先生にお任せする
弁護士費用の相場は、着手金20万円、成功報酬15%くらいです
慰謝料の金額が100万円になる場合には、弁護士費用は、着手金と成功報酬を合わせて40万円程度となります。
高額な費用がかかりますが、それだけの価値があります。
ただ、実際に費用がかかりますので、弁護士の先生に依頼するのは、最終的な手段というか、どうしても解決できない時に依頼するという考え方でもいいと思われます。
これらを複合的に組み合わせることもできます
- 行政書士に依頼して、妻の浮気相手に内容証明郵便を送る
↓ - 相手が無視した場合には、弁護士の先生に切り替える
↓ - 弁護士の先生に依頼して、妻の浮気相手に内容証明郵便を送る
↓ - 弁護士の先生が示談書を作成する
↓ - 慰謝料が支払われる
次に、妻と離婚することになった場合について記載させていただきます
離婚に際して決めなければならないことは次の通りです
- 子供の親権者
子供の親権者をどちらにするのか? - 養育費の金額と支払期間
養育費は、月いくらで、いつまで支払うのか? - 面会交流
面会交流は月何回にするのか? - 慰謝料の金額と支払期間
慰謝料はいくらで、どうやって支払うのか? - 財産分与
財産分与はどうするのか? - 学資保険や生命保険
学資保険や生命保険をどうするのか? - 年金分割
年金分割をするのかどうか? - その他…
妻が浮気して離婚する場合でも子供の養育費の支払いは必要です
妻の浮気と、子供の親権や養育費は、まったく別のものであり、必ずしも連動しません。
妻が浮気して離婚することになった場合でも、子供の親権者が妻になって、子供が妻と一緒に暮らしている場合、子供と離れて暮らしている夫は、子供の養育費を支払う必要があります。
浮気した妻に対する感情としては納得できないかもしれませんが、法的には、妻と子供は別ですので、やはり、子供に対する養育費の支払義務はなくなりません。
その他の項目についても、浮気したこととは必ずしも連動しませんが、やはり、どうしても感情的には連動するところはあるでしょうから、妻との話し合いで、どうするのかを決めていけばいいと思われます。
当然ながら、妻からも慰謝料を支払ってもらうことができます
浮気は、妻と浮気相手の2人が夫に対して損害を与えたことですので、浮気相手だけでなく、妻に対しても慰謝料請求をすることができます。
つまり、浮気した当事者2人から慰謝料を支払ってもらうことができます。
慰謝料の金額と養育費の金額は一致しませんが、実質的には、この2人の慰謝料を養育費の支払いに充てることになるだろうと思われます。
ご夫婦の話し合いで決まった内容を書面に残しておくことが大切です
離婚協議書にするのか?それとも、公正証書にするのか?
- 養育費や慰謝料など、お金の支払いがない場合に強制執行をすることができる(強制執行される)
- 公正証書は、厳格な手続きによって作成されるので、高い証明力がある
- 公正証書の原本が公証役場に保管されているので紛失してももう1度作ってもらえる
公正証書を作成しておくと、お金の支払いがない場合に強制執行をすることができます
- 夫は妻に対して養育費を支払う
- 妻は夫に対して慰謝料を支払う
という公正証書であれば
- 夫は妻に対して強制執行することができる
- 妻も夫に対して強制執行することができる
ということになります。
ということは、例えば、養育費の金額など、夫が支払う金額のほうが多くなる場合には、公正証書を作成することは妻にとって有利であると考えることもできますので、夫としては、公正証書を作成しなくてもいいかもしれません。
ただ、夫自身としては、自分は必ず最後まで養育費を支払うけど、妻のほうが支払わない可能性が高いということであれば、逆に妻に対する強制執行ができるようにする意味で、公正証書を作成しておくメリットはあるでしょう。
でも、公正証書を作成しておけば必ず強制執行することができるわけではありません
例えば、妻が仕事をしていなくて、毎月、決まった収入がない、しかも、預貯金などもほとんどないというような場合には、公正証書を作成していても、強制執行をすることが難しいかもしれません。
つまり、差し押さえるものがほとんどない…という状態の場合には、強制執行をしてもほとんど意味がないということになる可能性もあります。
逆に、夫自身に安定した収入や財産がある場合には、妻は夫に対しては強制執行をやりやすいということです
つまりは、そういうことですよね…
妻が長く同じ会社に勤めていて、安定した収入がある場合には、簡単にその会社を辞めたりしないでしょうから、夫としても自分の慰謝料の支払いについて不安が少ないですが、そうじゃない場合には、夫としては実質的に、自分に対する公正証書の効果のほうが強いという状態になってしまうこともあります。
こういう場合には、公正証書を作成しないで、離婚協議書の作成にとどめておくという選択肢もあるでしょう。
ただ、妻から公正証書作成を強く希望してくる可能性もありますので、そういう場合には、夫としては拒否しにくいかもしれません。
公正証書の証明力にメリットを感じる場合などには公正証書を作成しておくこともアリです
例えば、話し合って決まった内容をしっかり残しておきたいという場合には、公正証書にしておくメリットがあります。