シナジー効果とは経営者ならしっかり意識しておくべき戦略のひとつです

シナジー効果とは…

シナジー効果とは…
シナジー効果とは、各要素がそれぞれ独立して存在するよりも、各要素が合わさることによって、各要素が相互に効果を強め合い、「1+1」が「2」以上の効果が生まれることをいいます。

ビジネスにおいては、いかにしてブランド価値を高めていくのかを常に頭の中に入れておく必要がありますが、その点においてシナジー効果は非常に重要な戦略のひとつとなります。

シナジー効果を活かす事業展開

水平型事業展開によるシナジー効果

水平型事業展開は、多店舗展開などによって、規模やエリアを拡大していくことをいいます。

多店舗展開を行うことによって、認知度が高まり、ブランド価値を高めることができますので、そのシナジー効果として、各店舗の集客に対して大きな恩恵をもたらすことができるようになります。

また、スケールメリットによって、原材料や商品仕入れのコスト削減においてもシナジー効果も期待できるようになります。

そして、こうして得た利益を活用することによって、さらなる事業展開を行うことも可能になります。

垂直型事業展開によるシナジー効果

垂直型事業展開は、製造から販売まで(川上から川下まで)を目指して事業を拡大していくことをいいます。

製造から販売までを行うことによって、価格競争力の向上や利益率の向上を期待することができますので、そのシナジー効果として、製造から販売までの各社に対して大きな恩恵をもたらすことができるようになります。

また、消費者のニーズを反映した商品開発を行うことによる競争力の向上などのシナジー効果も期待できるようになります。

そして、こうして得た利益をさらなる商品開発などに活用することによって、競争力をさらに高めることが可能になります。

シナジー効果の効果

ブランド価値の向上

質の高い商品やサービスを提供していることは非常に重要なブランド価値ですので、それはそれで非常に重要なことだといえます。

もちろんニッチな層に対してのブランド価値の向上という戦略もありますが、一方で、多くの人に受け入れられているという安心感のような意識もありますので、多店舗展開や販売チャネルの拡大によるシナジー効果によってブランド価値を向上させることも重要な戦略のひとつです。

もちろん、どちらがより良いということではなく、それぞれのビジョンに合った戦略を選択すべきだということは言うまでもありません。

事例やノウハウの共有

当然ながら、1つから得られる事例やノウハウと複数から得られる事例やノウハウとでは、事例やノウハウの種類や質が異なると考えられます。

また、同じ業種の場合でも、それぞれの会社が有する貴重な事例やノウハウというものがあるでしょう。

これらを共有することによって、「1+1」以上のシナジー効果を期待することが可能です。

人材活用の活発化

例えば、M&Aによって同業他社を買収する場合においても、買収される側にも非常に優秀な社員がいることも多く、そのような社員が活躍する場が広がることによって他の社員にも様々な好影響が波及するシナジー効果を期待することが可能です。

コスト削減

例えば、飲食業の多店舗化やM&Aなどは、スケールメリットを活かした仕入コストの削減が可能になるというシナジー効果があります。

また、管理部門など、重複した部門や機能を統合することによって人件費や管理費の削減が可能になります。

負のシナジー効果

負のシナジー効果とは、「1+1」が2以上になるシナジー効果ではなく、逆に「1+1」が2以下の結果になってしまっていることをいいます。

ブランド価値の毀損

多店舗展開や販売チャネルの拡大によるシナジー効果を期待していたが、その意図に反して、ひとつの店舗で起きたトラブルが他の店舗にも影響を与えてしまうという、負のシナジー効果によってブランド価値が毀損されてしまうこともあります。

そういう意味では、多店舗展開などを行うにあたっては、コンプライアンスやガバナンスの徹底が非常に重要になってきます。

人材活用の停滞

例えば、M&Aを行った場合、企業文化や風土の違いなどによって人材の活用がうまく進まないということが起こることがあります。

最悪の場合、退職者が出てしまい、事業運営に支障を来してしまうこともあり得ます。

このように「1+1」が2以上になるシナジー効果を期待していたにもかかわらず、その意図に反した結果になってしまうこともあります。

コスト増加

スケールメリットを活かしたコスト削減を期待していたが、それほどの効果がなく、総合的に考えると逆に利益が低下してしまうこともあり得ます。

最後に…

経営の多角化やM&Aなどを行う際には、「どのようなシナジー効果を期待することができるのか」「どのような負のシナジー効果が出る可能性があるのか」を想定して、事前にそれに対する対応を行っておくことが非常に重要です。

そうすることによって、期待したシナジー効果を得ることができるはずです。