退職金制度は優良な人材を確保するために必須の制度です

退職金は法律上の支払義務はありませんが、退職金制度は優良な人材を確保するために必須の制度となっています

世の中には、賞与も退職金制度がない会社もありますが、これは違法ではありません。

賞与についても、退職金についても、法律上の支払い義務はありませんので、賞与も退職金も一切支給しなくても法律上は何ら問題はありません。

でも、今や、退職金制度は優良な人材を確保するために必須の制度になっています

選ばれるために

ハローワークの求人票には、退職金制度の有無について記載する項目があります。

看護師さんや薬剤師さんが就職先のクリニックや薬局を選ぶ場合のチェック項目のひとつになりますので、退職金制度の有無は非常に重要だといえるのではないでしょうか…

長く働いてもらうために

医療や福祉の業種は、採用コストが最も高額である業種のひとつだといえます。

採用コストを含めた1人あたりの給与を考慮すると、離職率が低下し、採用コストを削減することができるのであれば、退職金制度のメリットは大きいといえるのではないでしょうか…

退職金制度を導入する場合は、トラブルを避けるためにも、就業規則(退職金規定)で規定する必要があります

退職金制度が適用される労働者の範囲

パートタイマーやアルバイトで働いている場合には退職金制度が適用されない場合は「パートタイマーやアルバイトには適用しない」など、その旨を明記しておきます。

また、正社員用と非正規社員用の就業規則(退職金規程)をわけておくことも非常に大切です。

なお、退職金制度の適用がある正社員の場合でも、例えば「勤続3年未満は支給しない」など、退職金が支給される労働者の範囲を定めることができます。

退職金の計算及び支払の方法

勤続年数、退職事由など、退職金の金額を決定するための算定方法を記載します。

また、退職金の不支給事由又は減額事由を設ける場合には就業規則に記載する必要があります。

退職金制度の種類

退職金制度は大きくわけると、「定額制」「基本給連動型」「別テーブル制」「ポイント制」の4種類の制度があります。

定額制

定額制の退職金は、基本給や貢献度に関係なく、例えば、勤続年数5年〇〇万円、6年〇〇万円…などのように勤続年数に応じて退職金の金額を決定する方式です。

基本給連動型

基本給連動型の退職金は、退職時の基本給、勤続年数や退職理由によって退職金の金額を決定します。

支給係数は事業所によって異なりますが、一般的に勤続年数が長いほうが金額は高くなります。また、役職などに応じて金額を加算するケースもあります。

計算式

退職金=退職時の基本給 × 支給係数(勤続年数や退職自由によって変動)

別テーブル制

別テーブル制の退職金は勤続年数や退職理由によって算出されます。

基本給連動型に似ていますが、退職時の基本給ではなく、役職や等級に応じて基礎金額を設定する点が異なります。

計算式

退職金=基礎金額(役職や等級などに応じて変動)×支給係数(勤続年数や退職自由によって変動)

ポイント制

ポイント制の退職金は、勤続年数や貢献度などに応じて付与したポイントによって退職金の金額を決定します。

計算式

退職金=退職金ポイント×ポイント単価×係数

支払方法

一時金で支払うのか年金で支払うのかを記載します。

支払時期

退職金の支払時期を就業規則(退職金規定)に記載します。

退職金制度を変更(減額などの不利益変更)する場合には、合理的理由と労働者の同意が必要です

合理的な理由や労働者の合意なく、就業規則(退職金規程)に定められた退職金の支給額を減額したり、支給時期を遅らせたりすることはできません。

退職金にかかる税金と社会保険料

退職金の所得税は、退職金の金額から退職所得控除額を引いた額の1/2に課税されます

退職金の税金は他の所得と分離して課税されます。

計算式

退職金の所得税=(退職金の金額-退職所得控除額)×1/2×税率

退職所得控除額

勤続年数20年以下 勤続年数×40万円(80万円に満たない場合は80万円)
勤続年数20年超 (勤続年数-20年)×70万円+800万円

退職金にかかる住民税は退職所得額の10%

・道府県民税=退職所得金額×4%
・市町村民税=退職所得金額×6%

退職金には、厚生年金などの社会保険料はかかりません。

もちろん会社負担もありませんので、経営者としては少しホッとするところかもしれません。

なお、賞与には社会保険料がかかります。

毎月の給与、賞与、退職金のバランスを取りながらうまく設定することができると、トータル的な会社負担を削減することも可能になると考えていいでしょう。