労働基準法の休憩時間について社会保険労務士がご説明させていただきます

一般的な社会人の方であればある程度ご存知だと思いますが、労働時間中の休憩時間について少し詳しく見ていきましょう

このページをご覧になられている経営者の方へ

このページの最後に休憩時間に関する助成金のお知らせがありますのでぜひ最後までご覧ください。

労働基準法では休憩時間について4つのことを定めています

休憩時間の4つの原則(労働基準法34条)
  • 労働時間の長さに応じて休憩時間を与えなければならない
  • 休憩は労働時間の途中で与えなければならない
  • 休憩時間は一斉に与えなければならない
  • 休憩時間を自由に利用させなければならない

労働時間の長さに応じて休憩時間を与えなければならない

労働時間が8時間を超える場合には、少なくとも1時間の休憩時間を与えなければいけません。

労働時間休憩時間
6時間以内の場合休憩を与える義務なし
6時間超え8時間以内の場合少なくとも45分
8時間を超える場合少なくとも1時間
1日の労働時間が8時間を超える場合は…
  • 労働基準法第36条に基づき、労使間で36協定を締結しなければいけません。
  • 25%の残業手当を支払わなければいけません。
  • 少なくとも1時間の休憩時間を与えなければいけません。

残業中に休憩時間を与えなくても違法ではありません

労働基準法としては労働時間が8時間をどれだけ超えても休憩時間は1時間で問題がありません。

つまり、労働基準法上は残業時間中に休憩時間を与えなくても違法にはなりません。

休憩時間を分割で与えることも可能です

労働基準法では休憩時間を一括して与えるとは記載されていませんので、休憩時間を分割して与えたとしても、労働基準法違反にはなりません。

休憩時間に対しては賃金を支払わなくても問題ありません

労働基準法11条には「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう」と定められていますので、労働時間ではない休憩時間には給料は発生しないと考えて問題ありません。

なお、労働時間中のトイレなど5分程度の休憩時間に対しては給与支払いの義務が発生すると考えていいでしょう

休憩は労働時間の途中に与えなければならない

労働基準法34条に「休憩時間は労働時間の途中に与えなければならない」と定められています。

実際にはあまりないとは思いますが、例えば「労働時間が始まる前」や「労働時間が終わった後」に1時間の休憩時間を与えることは労働基準法違反になります。

休憩時間は一斉に与えなければならない

「えっ?」って思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、労働基準法34条では「休憩時間は一斉に与えなければならない」と記載されています。

しかし、実はこれはあくまでも原則であり、2つの例外があります。

一斉付与の例外
  • 労使協定を締結している場合
  • 一斉付与の規定が適用されない業種の場合

労使協定を締結している場合

会社が従業員の方との間で労使協定を締結していれば休憩時間を一斉に与えなくても問題ありません。

従業員全員が一斉に休憩するとお店や会社の運営に問題が生じることもありますので、そういう場合には、労使協定を締結することによって交代で休憩を取ることができるようになります。

一斉付与の規定が適用されない業種の場合

以下の業種の場合は休憩時間の一斉付与の規定が適用されませんので、労使協定を締結しなくても交代で休憩を与えることができます。

一斉付与の規定が適用されない業種(労働基準法施行規則第31条)
  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融、広告業
  • 映画、演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業
  • 官公署の事業

休憩時間を自由に利用させなければならない

休憩時間とは「労働時間の途中に置かれた、労働者が権利として労働から離れることを保証された時間」のことをいいます。

また、労働基準法34条では「休憩時間を自由に利用させなければならない」と定められています。

例えば、休憩時間中でも、電話番や来客対応などのために職場から離れられない場合には、その時間は休憩時間ではなく労働時間であるとみなされる可能性があります。

その場合には、その時間とは別に休憩時間を与える必要がある可能性もあるでしょう。

以上、労働基準法の休憩時間についてご説明させていただきました。